新人女性ジョッキー小林美駒「単勝334.1倍」3着激走で100万馬券演出!スマホ事件に6月まで1勝止まりの大苦戦ルーキーが夏競馬で覚醒!
藤田菜七子騎手と今村聖奈騎手。
JRAの現役女性ジョッキーの中でも知名度が高いのは、おそらくこの2人だろう。
藤田騎手は、16年ぶりに誕生したJRA生え抜きの女性騎手として2016年のデビュー当初から大きな注目を浴び、19年には女性騎手として初めてJRA重賞を制覇。ここ数年はやや低迷しているが、先日のアイビスサマーダッシュ(G3)で1年ぶりに重賞レースに騎乗するなど、何とか現状を打破しようと頑張っている。
一方の今村騎手はデビューした昨年いきなり51勝をマークして女性騎手初の新人王に。7月には重賞初騎乗で初制覇を果たすなど、大きな話題を振りまいた。今年は春先にスマートフォンの不適切使用が発覚し、他の若手らとともに30日間の騎乗停止処分を受けたが、復帰後もコツコツと勝利を重ねている。
藤田騎手と今村騎手以外にも、ともに3年目の古川奈穂騎手と永島まなみ騎手が、今年の夏競馬で重賞初騎乗を果たすなど存在感を発揮。両者とも8月の時点ですでに自己ベストの勝利数を更新しており、更なる飛躍が期待されている。
そんな先輩たちの背中を追いかけて今年デビューを果たしたのが、2人の女性騎手だ。ともに18歳の河原田菜々騎手と小林美駒騎手である。
とりわけ先週末に輝きを放ったのは、6月末まで僅か1勝と苦しんでいた小林美騎手だ。
「単勝334.1倍」3着激走で100万馬券演出!
まず4鞍に騎乗した土曜は、最終レースで7番人気キュートヘスティアを勝利に導き、夏競馬4勝目、通算では5勝目となる白星をマークした。
これに気分を良くしたのか、5鞍に騎乗した日曜は3レース目を4番人気ゼンリョクダンスで制し、2日連続となる勝利をマーク。すると、さらに単勝334.1倍の18番人気のサンドロップを3着に導き、三連単配当が100万円を超える大波乱の立役者となった。
この日の小林美騎手はこれだけでは終わらなかった。この日の最終騎乗でも9番人気のエルカリエンテで僅差の2着。自身初の1日2勝目とはならなかったが、外枠有利の新潟直線競馬(芝1000m)で内枠から見事な手綱さばきを見せている。
「馬券に絡んだ4鞍は、すべて4kgの減量特典も生かしたナイス騎乗でした。勝利した2鞍はどちらもダート1200mでしたが、土曜の勝利は好発を決めて2番手から抜け出す横綱相撲。一方で日曜の勝利は中団後方から運び、直線で大外を回してゴール前で図ったように先行馬を差し切りました。
さらに芝内回りの2000m で行われた一戦では、18番人気の馬を3着に持ってきましたが、前残りの展開を読んでいたかのように好位から粘り込んでの好走。さらに7Rは直線競馬で6番枠から発走という難しい条件の中、後方から馬群をさばいての2着でした。
いずれも新人離れした好騎乗だったと思いますが、実は小林美騎手は地元が新潟市。本人も期するものがあったと思います」(競馬誌ライター)
人気薄の馬を次々と馬券圏内に導いた小林美騎手にはファンも感嘆。同期の河原田騎手はもちろん、他の先輩女性騎手にも負けない活躍を見せることができるか。7月以降の1か月半だけで5勝と、白星量産態勢に入った18歳のルーキーから目が離せない。