札幌記念(G2)武豊×ジャックドール「勝っても」コンビ解散!? 打倒イクイノックスへ…「最強パートナー」に復帰の足音
今週末に行われる夏競馬の祭典・札幌記念(G2)、そして来週行われるワールドオールスタージョッキーズ。今年の夏競馬もいよいよたけなわとなり、大舞台が待つ秋開幕の足音が日に日に大きくなってきた。
ジョッキーたちにとっても、この夏競馬の積み重ねが秋に大輪の花を咲かせるケースは珍しくない。何気ない騎乗馬にも、そこには秋を見据えた様々な「思惑」が絡み合っている。
例えば、札幌記念に出走するダノンベルーガとプログノーシスはどちらも川田将雅騎手のお手馬だが、昨年のリーディングジョッキーは後者を選択。同レースには今春の中山記念(G2)を勝ったヒシイグアスも出走するが、主戦の松山弘平騎手は同日の北九州記念(G3)でロンドンプランに騎乗している。
そんな今週末、最も大きな注目を集めているのが武豊騎手だ。
「本番(スプリンターズS、G1)はユタカ君が乗ります」
そう今後の展望を語る音無秀孝調教師が北九州記念に送り込むのは、前日段階で2番人気に支持されている強豪モズメイメイだ。武豊騎手が騎乗した際は3戦3勝の好相性。特に重賞2勝目となった前走・葵S(G3)のロケットスタートは、レジェンドならではの神業であり、度肝を抜かれた全国の競馬ファンからは「反則」という声さえ上がった。
だが、この日の武豊騎手は札幌記念で前日段階1番人気のジャックドールに騎乗。重賞で最有力馬に騎乗するだけでなく、その関係で騎乗できなかったお手馬の陣営からも“ラブコール”を受けるなど、まさにスーパージョッキーと言える充実ぶりだ。
ただ、今回見事“武豊騎手争奪戦”に勝利したジャックドールでさえ、次走以降のコンビ継続は不透明だという。
「再戦したいですね――」
武豊騎手がそう挑戦状を叩きつけたのは、現役最強と名高い昨年の年度代表馬イクイノックスだ。10日に夏の小倉競馬開幕を前に行われたイベント『てんじんKEIBA』にゲスト出演したレジェンドは、相棒のドウデュースの状況を聞かれ「天皇賞・秋(G1)に間に合うみたい」と明かしているが、この天皇賞・秋はジャックドールも次走に予定しているレースだ。
「最強パートナー」に復帰の足音
「もしドウデュースとジャックドールが天皇賞・秋でバッティングすれば、武豊騎手はドウデュースに騎乗することが濃厚です。ジャックドール陣営としては、仮に今週の札幌記念を勝ってもコンビ解散濃厚という複雑な状況ですが、もともと最近までドウデュースの復帰時期が不透明だったこともあって仕方ない部分もあると思います。
仮にドウデュースの天皇賞・秋復帰がもっと早い段階で固まっていれば、武豊騎手は本番(スプリンターズS)を見据えてモズメイメイに騎乗していた可能性もありますし、ジャックドール陣営も次を見据えた騎手起用をしていたかもしれません」(競馬記者)
どんな世界でも「有力者」の都合が優先されるのは世の常か。こういった面も、競馬が弱肉強食の世界と言われる所以の一つなのかもしれない。