横山武史「想像以上の強さ」札幌2歳S(G3)4馬身圧勝セットアップはエフフォーリアの再来か!? 競馬界を席巻した「鹿戸×武史」第2章開幕の予感
2日、札幌競馬場で行われた札幌2歳S(G3)は、3番人気のセットアップ(牡2、美浦・鹿戸雄一厩舎)が2着に4馬身差の快勝で初の重賞タイトルを手にした。
近年では、ソダシやジオグリフといったG1馬が同レースを制していることから“出世レース”として今年も大きな注目を集めていた札幌2歳S。
今年も来年のクラシックを見据える強豪が集い、中でもデビュー戦をノーステッキで快勝したドゥラメンテ産駒のガイアメンテは、鞍上の武豊騎手が「相当いいよ。楽しみ、それぐらいの素材」と絶賛し、その走りから早くも“G1級”との声もあった。
同じくデビュー戦で2着に5馬身差を付け、ぶっちぎりのパフォーマンスを見せたキズナ産駒のギャンブルルームが1番人気ガイアメンテに続く2番人気。前評判では、この2頭が頭一つ抜けた人気となり、セットアップは少し離される格好で3番手評価だった。
しかし、レースでは積極的にハナを奪ったセットアップが単騎逃げに持ち込み、向正面では後続に3馬身ほどのリードを保った。3コーナーを過ぎた頃には、さらに加速し後続を突き放してセーフティリードを保つと、そのままガイアメンテやギャンブルルームといった人気馬に影を踏ませない走りを披露。
戦前こそガイアメンテとギャンブルルームが人気を集めたが、終わってみれば「逃げて」「上がり最速」というセットアップのワンサイドゲーム。後続を4馬身突き放しての圧勝だった。
2着に入った4番人気パワーホールの横山典弘騎手が「よく走ったんじゃないかな」と、現時点では完敗と受け取れるようなコメントもセットアップの強さを物語っているだろう。ちなみにJRA重賞での親子ワンツーは、1984年のグレード制導入後で初となった。
「鹿戸&武史」コンビはエフフォーリアの再来?
「鹿戸厩舎とのコンビで、エフフォーリア以外で重賞を勝てたことは、僕的にも厩舎的にも士気が上がると思いますし、楽しみです」とレース後にコメントした横山武史騎手。
やはり、横山武騎手と鹿戸厩舎のコンビといえば、一昨年の年度代表馬エフフォーリアを思い出す方が多いのではないだろうか。また、横山武騎手にとってもエフフォーリアは初めてG1を勝った馬として特別な存在だ。
そんなエフフォーリアとセットアップを比べるのは、まだ気が早いかもしれないが「想像以上の強さ。こんなに離せるとは思いませんでした」と横山武騎手が驚くほど、素質馬2頭を子供扱いしたセットアップには、今後の可能性も十分に秘められている。
なお、次走について鹿戸調教師は「関東はまだ暑いので、北海道で休養する予定。使いづめできているので、次走は朝日杯フューチュリティS(G1)かホープフルS(G1)になると思います」と見通しを示し、年末の2歳王者決定戦を見据える。
今回、セットアップで出世レースを勝利した横山武騎手。ここから3歳で年度代表馬に輝いたエフフォーリアのように来年のクラシックを席巻できるか。「鹿戸×武史」の第2章開幕を予感させた。