武豊、C.ルメールらに完勝で札幌リーディング三連覇!数字で見る横山武史のすごさとは

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 プログノーシスの圧勝した札幌記念(G2)や岩田望来騎手が逆転優勝を決めたワールドオールスタージョッキーズなど、大きな盛り上がりを見せた札幌開催。3年連続のリーディングジョッキーに輝いたのは横山武史騎手だった。

 得意の函館開催で佐々木大輔騎手にリーディングを奪われたことも、発奮材料となったのだろう。

 勝利数で2位の武豊騎手に6勝差、3位のC.ルメール騎手に9勝差をつける独走。夏の北海道で最初の重賞となった函館スプリントS(G3)をキミワクイーン、最終週に開催された札幌2歳S(G3)をセットアップで制覇と、まさに有終の美で飾ったといえるだろう。

 なぜこれほどまでに横山武騎手が好成績を残しているのか。そこには騎乗回数と安定した勝率という理由があった。

数字で見る横山武史のすごさとは…

 横山武騎手の札幌での騎乗回数は、1位の佐々木騎手の133回、2位の丹内祐次騎手の127回に次ぐ3位の119回。単純に考えれば騎乗回数が多ければ勝利のチャンスが増えるといっても、多くの依頼を集めるためには各陣営からの信頼がないと成り立たない。

 また勝率も非常に優秀だ。横山武騎手の勝率は18.5%で5位ではあるが、これは武騎手の19.5%、ルメール騎手の19.1%と遜色のない数字だ。

 ただ彼らの騎乗数は武騎手が82回、ルメール騎手は68回と119回の横山武騎手に比べて大きな開きがある。基本的に騎乗回数が増えるほど、勝率をキープする難易度が高くなることを考えれば、ライバルに騎乗回数で圧倒的な差をつけながら、同等の勝率をたたき出したことは並大抵のことではない。

 ましてや真夏は人馬ともにコンディション調整が難しい。炎天下でたびたび熱中症を発症する騎手や競走馬も見受けられた。雨の日は雨の日で、洋芝の馬場が受けた影響は大きかったはずだ。安定した走りを見せるには難しい環境だったと言える。

 また、横山武騎手は連対率も37.0%で2位。3着内率に関しては50.4%と1位。勝率でこそ武騎手やルメール騎手に後れを取ったが、こちらについては大きく上回っている。この安定感は馬券購入者にとっても心強いものだったに違いない。

 最終レース後の表彰式にて「けがや騎乗停止もなかったので、本当にいい北海道開催だった」と振り返った横山武騎手。これだけの騎乗をこなしつつけがや騎乗停止に見舞われなかったのは、フィジカルだけでなく注意力や判断力も一流である証左だろう。

 そして「また秋競馬が始まりますので、まだ暑さは続きますけど、皆さんも体調に気を付けながら、ジョッキーもみんな頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします」とコメント。次なる戦場への意気込みをのぞかせた。

 いよいよ始まる秋競馬。二冠のかかるソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)の菊花賞(G1)をはじめ、数多の大レースが控えている。横山武騎手には札幌での勢いそのままの快進撃を期待したい。

GJ 編集部

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