実力はノッキングポイント以上?無傷の3連勝で重賞級の能力証明…「ロード軍団」に待望の“ロードカナロア産駒”が誕生
2023年の夏競馬ラスト重賞となった3日の新潟記念(G3、芝2000m)。並み居る強豪馬をねじ伏せたのは、メンバー唯一の3歳馬、ノッキングポイント(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だった。
「馬の力は感じていて、(こちらが)3歳馬というのは気にならず、レースへ臨んでいました。期待通りに過ごしていって、成長してくれています。もっともっと上のステージでも期待しています」
レース後、鞍上を務めた北村宏司騎手は、あっさりと古馬の壁を破った相棒の今後の活躍に期待を込めた。
その一方でノッキングポイントに見劣らないインパクトを残した3歳馬が前日(2日)の新潟10R・赤倉特別(2勝クラス)に出走していた。それがロードカナロア産駒のロードデルレイ(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)である。
無傷の3連勝で重賞級の能力証明…
9頭立てで行われた芝2000mのレースで、単勝1.5倍の圧倒的な支持を集めていたロードデルレイ。5枠5番から好ダッシュを見せると、ハナを切ったパンドレアから4~5馬身離れた2番手をポツンと追走。3~4コーナーでは早くも馬群が凝縮し、最後の長い直線を迎えた。
ロードデルレイは、残り550m付近で押し出されるように先頭に立つと、道中3番手を進んでいたシーウィザードとゴール前まで長い追い比べ。しかし、最後まで2頭は鼻面を並べることはなく、終始リードを保ったロードデルレイがクビ差先着し、デビューからの連勝を3に伸ばした。
「レース後に鞍上の坂井瑠星騎手が『大きな怪我から無事に帰ってきてくれました』と話していたように、2連勝を飾った今年の春は出走を予定していた青葉賞(G2)を脚元の怪我で回避。今回が約半年ぶりの実戦でした。
馬体重こそ前走比で2kg増でしたが、馬体にはまだ緩さが残っており、7~8分の出来だったと思います。それでもキャリア3戦目でしっかりと勝ち切ったことは高く評価すべきでしょう。レース内容も翌日の新潟記念を勝利したノッキングポイントと遜色なかったように映りました」(競馬誌ライター)
同じ新潟外回りの芝2000mで行われた新潟記念と赤倉特別。どちらも良馬場で行われたが、勝ち時計は前者の1分59秒0に対し、後者は1分59秒1とほぼ変わらなかった。勝ち馬2頭の斤量はノッキングポイントよりもロードデルレイが1kg重かったことを考えれば、単純比較で両者の実力は互角といっても過言ではないだろう。
春はクラシックを諦めざるを得なかったロードデルレイだが、その馬名からも分かる通り、馬主は“ロード軍団”ことロードホースクラブ(HC)である。
クラブの代表馬といえば、国内外でG1を6勝した短距離王のロードカナロアがいるが、ロードデルレイもその産駒。父はこれまで、アーモンドアイやサートゥルナーリアなど多くのスターホースを輩出しているものの、自身の“古巣”ロードHCからは重賞ウイナーがまだ出ていない。これまで多くのロードカナロア産駒を募集してきたにもかかわらずだ。
ロードデルレイは、3代母レディバラード、祖母レディアーティスト、母デルフィーノと3代続く生粋のロード血統。近親には種牡馬としても活躍中のダノンバラードがおり、ロード軍団がロードデルレイに懸ける期待は相当大きいはずだ。
次走はいまのところ未定だが、脚元に問題がなければ菊花賞トライアルの神戸新聞杯(G2)が候補に挙がる可能性もあるだろう。ロード軍団が待ち焦がれた重賞級のロードカナロア産駒、ロードデルレイの快進撃はどこまで続くだろうか。