「16冠ベビー」ソウルスターリングの独裁政権に突如現れた「超大物」ファンディーナ!激動の3歳牝馬クラシック戦線を振り返る
頂上決戦のオークス(G1)が終わってみれば2歳女王ソウルスターリングの女王返り咲きと、勢力図に大きな変化がなかった今年の3歳牝馬クラシック路線。だが、突如現れた怪物ファンディーナの登場など、タレントには事欠かなかった印象がある。そこで今回は、秋の秋華賞(G1)に備え、春2冠までの道のりを振り返ってみたい。
世界中のホースマンが注目した「16冠ベビー」の登場
夏競馬もたけなわとなってきた7月末日、最初に大きな注目を集めたのはソウルスターリング(美浦・藤沢和雄厩舎)だった。
父は14戦全勝でG1を10勝した「世界史上最強馬」フランケル。母スタセリタも仏オークスを始めとしたG1競走6勝とデビュー当初から「16冠ベビー」として大きな注目を集めたソウルスターリング。しかし、単勝1.7倍で迎えた新馬戦は勝ったものの、2着馬とはクビ差の接戦。3着以下には5馬身差をつけていたものの前評判が高かった分、この勝ち方に首をかしげるファンも多かった。
したがって夏の間に最も強い注目を浴びたのは、新馬戦と小倉2歳S(G3)を圧倒的な強さで連勝したレーヌミノル(栗東・本田優厩舎)の方だった。
小倉2歳S の1週前追い切りの際「普通に回ってくれば勝ちますよ」と自信満々に語った浜中俊騎手は、6馬身差の圧勝劇に「G1を狙える馬」と本馬の能力を絶賛。その”読み”は確かに当たっていたが……。
当時の浜中騎手には、まさか戴冠の瞬間に自分がいないとは思う由もなかっただろう。