神戸新聞杯(G2)回避は「第2の心臓」の問題。ベラジオオペラ菊花賞出走の可能性とベラジオ森川幸平社長が明かした胸中、G1勝利「81.8%」将来を嘱望される大器の行方は

ベラジオオペラ 撮影:Ruriko.I

 今週末のセントライト記念(G2)に出走する皐月賞馬ソールオリエンス、もう1つのトライアル神戸新聞杯(G2)から始動するハーツコンチェルト。そして、直行を予定しているダービー馬のタスティエーラ――。

 3000mという過酷な条件を嫌ってか、毎年のように回避馬が目立つ菊花賞(G1)だが、今年は春のクラシックを賑わせた強豪の多くが出走を表明。今から例年以上の注目を集めている。

 そんな中、残念なニュースが飛び込んできた。日本ダービー(G1)で4着に善戦したベラジオオペラ(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)の神戸新聞杯の回避だ。

 管理する上村調教師によると「秋は白紙です。涼しくなってきて馬の体調が良くなってから。状態が上がってくるのを待ちます」とのこと。現在は、すでにチャンピオンヒルズへ放牧に出ているようだ。

 日本ダービーでは、冒頭で挙げた3頭とタイム差なしの「クビ+ハナ+ハナ」で4着という接戦を演じ、4強を印象付けたベラジオオペラ。1馬身差の5着に下したノッキングポイントが今月3日の新潟記念(G3)で古馬を相手に勝利しているなど、ポテンシャルの高さは折り紙付きだ。

 それだけに、まずはハーツコンチェルトとの激突が予想された神戸新聞杯を楽しみにしていたファンも多かったようだが、一体何があったのだろうか。

神戸新聞杯(G2)回避は「第2の心臓」の問題

「ベラジオオペラに関してご報告――」

 13日、一連の報道を受けて『ベラジオちゃんねる』が「緊急報告!神戸新聞杯回避の真相!・菊花賞の出走は!?」(原文ママ)という動画をアップ。オーナーサイドとして本馬の落札にも関わったベラジオコーポレーションの森川幸平社長が神戸新聞杯の回避について語っている。

 詳細は本動画をご覧いただきたいが、森川社長曰くベラジオオペラの神戸新聞杯回避の可能性は「8月くらいからあった」という。というのも本馬は以前から蹄に不安を抱えており、今回はその影響が調整の遅れにつながったそうだ。

「蹄は馬にとって『第2の心臓』と言われるほど大事なものです。特に若い馬はまだ完全に爪が固まりきっておらず、ベラジオオペラのように何らかの不安を抱えている馬も珍しくありません。

幸いベラジオオペラはクリアしたそうですが、蹄の問題で厄介な点は主に2つ。1つは爪が伸びるのを待つほかないため、時間が掛かってしまう点。そして、もう1つがその間、蹄に影響が出るような強い運動ができないという点です。おそらく、今回のベラジオオペラの神戸新聞杯回避は、そういった蹄の問題を発端とした調整の遅れが原因だと思われます。

ただ、裏を返せば単純に調整が遅れているだけで、故障などではないということ。もともと関係者が『古馬になってから』と口を揃えている馬だけに陣営も今は無理せず、大事を取っているのだと思います」(競馬記者)

菊花賞出走の可能性は…

 実際に、ベラジオオペラが放牧されたのは生まれ故郷として夏を過ごした社台ファームではなく、チャンピオンヒルズ……つまりは調教施設が整った外厩だ。これだけを見ても実戦復帰から大きく離れたわけではないことがわかる。

 森川社長も動画内で「(神戸新聞杯で)万全になるのが間に合わなかった」と話しており、「馬を第一主義として考え、将来活躍することを見越して」と今回の回避の理由を語っている。上村調教師も、ファンの多い馬だけに「中途半端な状態で使えない」と考えているようだ。

 また、10月22日の菊花賞について森川社長は「白紙」を強調したものの、「どうなるか」と完全に回避すると決まったわけではなさそうだ。仮に菊花賞を回避しても「どこになるかはわからないんですけど、年内に出走してもらったらなとは思う」と胸中を語っている。

 この春、無傷の3連勝でスプリングS(G2)を制したベラジオオペラ。本馬を含め、無敗で当レースを制したのはキタサンブラックやミホノブルボンを始め過去11頭いるが、その内9頭、確率にして約81.8%が後にG1馬に輝いている(グレード制導入前のG1級競走含む)。

「仮に年内に出走してくることがあれば、それは万全であることの裏返し」

 果たして、3歳牡馬4強の一角は「いつ」「どこで」実戦復帰を果たすのか。アジア最強のスプリンターとして「龍王」と称されたロードカナロアの産駒にも関わらず、アーモンドアイやサートゥルナーリアのように“血統の常識”を覆している大器だけに、今後は様々な選択肢が待っていそうだ。

GJ 編集部

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