スプリンターズS(G1)メイケイエール「新装備」でお転婆は卒業!? 4ヶ月ぶりの実戦で悲願のビッグタイトル制覇へ
秋のスプリント王を決めるスプリンターズS(G1)。春のG1戦線で活躍した馬や、夏競馬で力をつけた馬たちが参戦する大一番だ。
そんな中で悲願の初G1制覇に燃えているのが、メイケイエール(牝5歳、栗東・武英智厩舎)である。
昨年のセントウルS(G2)優勝をはじめ重賞6勝の実力馬だが、生真面目すぎる性格のため大舞台で暴走してしまうクセ馬として知られており、大きく頭を振る仕草から「獅子舞」などと呼ばれたりするほどだ。
主戦の池添謙一騎手もコントロールに苦労しており、池添騎手の腕を心配するファンたちによって「池添の腕」というワードがSNSでトレンド入りしたこともある。
高い能力と空回りしてしまう性格だけでも人気が出そうだが、メイケイエールの魅力はもう一つある。それはグッドルッキングホースという点だ。
つぶらな瞳に通った鼻すじが愛らしく、武英師も「顔は本当にべっぴんさん」と太鼓判。また脚が長く美脚と評されることも。その美貌からファンブックも発売されているほどの人気だ。
個性派のメイケイエールだが、過去1年間でG1には4度挑戦し全て着外。大舞台では決して芳しい成績と言えない。
「新装備」でお転婆は卒業!?
そんな現状を打破しようと武英師は新装備を導入。「エッグバットハッピータン」という特殊なハミを装着しコントロールの向上を図った。
吉田貴昭調教助手は『スポーツ報知』の取材に「ハミを替えてからは行きたくなった時に我慢できるようになりました」とコメント。追い切りに騎乗した池添騎手も「ハミを替えたことで抑えられている感じがあった」と好印象だ。
メイケイエールの武器の一つといえば、長い脚から繰り出される大きなストライドだ。先団に取り付き好位を維持し、最終直線からストライドを活かし悠々と押し切るのが勝ちパターンの一つと言える。
このパターンが炸裂したのは昨年のセントウルSで、ソングラインやファストフォースといった大物たちを圧倒するレコード勝ちを見せた。コントロールさえ効くようになれば、この競馬に持ち込める確率は上がると思われる。
また、昨年のスプリンターズSは14着だったが、池添騎手が「敗因を挙げるなら(前走から)中2週かな」とタイトなレース間隔だったことを理由の一つに挙げた。今年は安田記念(G1)から約4ヶ月ぶりのぶっつけ本番となり、武英師が追い切りで「ここ1年では一番いい時計の出方」と言うほどだから、コンディション面に関しても問題はなさそうだ。
その安田記念では15着と大敗を喫しているが、落鉄・蹄球のけがというトラブルに見舞われていたため実力を発揮できたとは言えそうにない。過去10年で前走が安田記念の馬の勝率は20%、連対率は30%、3着内率は40%と好成績で、大敗していた馬の巻き返し例もある。
また直近4年の優勝馬はいずれも2・3歳時にマイル重賞の勝利経験があったが、メイケイエールも3歳時にチューリップ賞(G2)を勝利しており好走を期待できるだろう。
陣営の、騎手の、そしてファンが望んでいるであろう結果が出ることに期待したい。