海外G1馬を上に持つ「3億円ホース」がついにデビュー。リバティアイランドと同タッグの好素材など強敵揃うも「初戦突破&オープン出世」確定か
30日の阪神5Rに行われる芝1800mの2歳新馬戦。坂井瑠星騎手とのコンビで挑むグラヴィス(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)に注目が集まっている。
同馬は父ハーツクライ、母ラヴズオンリーミーという血統。すでに実績や知名度が十分な両親だけに、もはや説明する必要もなさそうだが、上にはドバイターフ(G1)を制したリアルスティールや、国内外でG1・4勝のラヴズオンリーユーなどがいる。いまや世界的であるといって差し支えのない超良血馬だ。
なおグラヴィスを所有するのは、「ジャスティン」の冠名でおなじみの三木正浩オーナー。三木氏は一昨年のセレクトセールにおいて、本馬を税込み3億800万円という超高価格で購入していることから、期待値もハンパではないといえるだろう。
先述の兄姉に引き続き手掛けることになった矢作調教師も「きょうだいに似ている」と、グラヴィスから素質を感じ取っている様子。1週前追い切りでは格上馬を追いかけて併入に持ち込んでおり、跨った坂井騎手も「この血統特有の良い乗り味」と好感触を口にするなど、仕上がりも順調のようだ。
「最大のライバルとなるのは中内田充正厩舎のアリスヴィクトリアでしょうね。2019年のフローラS(G2)を勝ったウィクトーリアの初仔であり、祖母には秋華賞(G1)を制したブラックエンブレムがいる良血。鞍上は川田将雅騎手が務めることから、牝馬三冠を目指すリバティアイランドと全く同じ組み合わせとなります。
他にも武豊騎手が乗るキズナ産駒のサウンドアレグリアや、エリザベス女王杯(G1)3年連続2着クロコスミアの初仔モカラルビーなども出走予定。ここはかなりの好メンバーが顔を揃えました」(競馬誌ライター)
どうやらグラヴィスが出走する新馬戦は、かなりの強敵揃いとなったようだ。ただ、それでも本馬にはいきなりの勝ち負けが期待できそうだ。
「初戦突破&オープン出世」確定か
というのも、母ラヴズオンリーミーの仔はこれまで中央で10頭がデビューしているのだが、そのうち2歳で初陣を迎えたラングレー、リアルスティール、プロディガルサン、ラヴズオンリーユーの4頭は、すべて新馬戦で勝利を収めている。しかも全4頭がその後、オープンまで出世を果たしているのである。
その一方、年明け3歳でデビューした6頭のうち、初戦で白星を飾ったのはディーンズリスターわずか1頭のみ。平地オープンまで出世したのもラヴユーライヴ1頭だけと、かなりの苦戦が強いられる傾向となっている。
「グラヴィスはラヴズオンリーミーの産駒で2歳のうちに初陣を迎えるのですから、初戦突破はもちろんのこと、これから先かなりの活躍が期待できそうですね。
父のハーツクライは種牡馬として現2歳が最終世代となりますが、ひょっとするとグラヴィスが最後の大物候補かもしれませんよ」(同)
先週はリスグラシューの初仔シュヴェルトリリエが惜しくも新馬戦で3着に敗れてしまった矢作厩舎×坂井騎手の師弟コンビ。今週はグラヴィスの“勝ち方”に注目してみてもいいかもしれない。