ウシュバテソーロはじめブリーダーズCに日本勢が大挙出走…例年以上に揃った好走条件、凱旋門賞より勝算高い?

撮影:Ruriko.I

 27日に船橋競馬場で行われた日本テレビ盃(G2)。圧倒的1番人気に支持されたウシュバテソーロ(牡6歳、美浦・高木登厩舎)は、直線半ばで早々と先頭に躍り出ると、後続をまったく寄せ付けない横綱相撲で2着馬に2馬身1/2差をつける大楽勝だった。

 ウシュバテソーロは同レースをステップに、11月4日のブリーダーズCクラシック(米G1)に挑戦予定。そして今年はウシュバテソーロの他にも多数の日本馬が参戦を予定している。

 ブリーダーズCのマイル(G1)には、今年の安田記念(G1)で連覇を果たしたマイル女王ソングライン、ターフ(G1)には2021年のダービー馬シャフリヤールが、そしてクラシック(G1)には、ウシュバテソーロだけではなく、3歳ダート強者のデルマソトガケも参戦予定だ。

 今年の出走予定馬はこれだけではない。スプリンターズS(G1)に出走するメイケイエールも8月にはブリーダーズCに挑戦する話も出ていたほど。さらに、重賞2勝のウインカーネリアンも毎日王冠(G2)の結果次第でブリーダーズCに参戦するようだ。

例年以上に揃った好走条件、凱旋門賞より勝算高い?

 スルーセブンシーズ1頭のみの参戦となるフランスの凱旋門賞(G1)とは裏腹に、今年はアメリカのブリーダーズCに日本馬が大挙出走するその理由は、「地理的要因」と「スピード馬場」にあるのかもしれない。

 というのも、ブリーダーズCは毎年開催する競馬場を替える持ち回り制で、年によって日本から競馬場への輸送距離が大きく変わるのが特徴だ。今年のブリーダーズCに関しては、米国西海岸カリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場で開催される。

 海外競馬評論家の秋山響氏は、『東京スポーツ』のコラム『TPC秋山響の海外競馬解析』にて、「西海岸での開催は日本からは距離的に近く(逆に言えば欧州からは遠い)、芝についても気候的に良馬場になる可能性が高いだけに、日本馬にとってはチャンスの大きい舞台」と述べている。

 他にも、タイトルホルダーの生産者である岡田牧雄氏も、ポッドキャスト番組『サンスポ音声局 しゃべる新聞』にて、2023年のブリーダーズCについて「(開催地で西海岸のサンタアニタは)輸送も楽だし、スピードも生きる馬場」と評していた。

 秋山氏や岡田氏が評する通り、スピードに一日の長がある日本馬にとって、どちらかというとパワーとスタミナを求められる欧州より適性が近いということだろう。加えて、輸送距離の面でヨーロッパのライバル馬よりも有利となると、今年、日本馬が大挙出走するのも頷ける。

 2021年、ラヴズオンリーユーやマルシュロレーヌがブリーダーズCを勝利したときも、カリフォルニア州のデルマー競馬場の開催で日本馬に有利だった。今年の日本馬たちにも偉業達成を期待したいところだ。

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