元JRA田原成貴氏が浜中俊に「辛辣」過ぎる公開説教?「下手だった」「俺乗ってたら勝ってたかも」…スプリンターズSナムラクレアはなぜ負けたのか
1日に中山競馬場で行われたスプリンターズS(G1)は、川田将雅騎手が騎乗した3番人気ママコチャが優勝。昨年の勝ち馬ジャンダルム、今春の高松宮記念(G1)を制したファストフォースも不在だったスプリント路線を統一し、新たな短距離女王に名乗りを上げた。
「まだ重賞を勝ったことのない立場ではありましたけど、とても良い背中をして、そしてこうやって一気に頂点まで達しましたが、これから先も期待される馬だと思います」
今回が初コンビながら見事な手綱捌きでパートナーを勝利に導いた川田騎手がそう振り返った通り、ママコチャにとっても初重賞制覇が初G1というオマケつき。昨年のジャンダルムに続く連覇を達成した池江泰寿調教師も「彼のことは信頼しきっています。1200mを早くに使っていれば、とうに重賞は勝っていたと思います」と胸を張った。
クロフネ×ブチコという血統のママコチャは、白毛のアイドル・ソダシの全妹。妹のG1勝ちを見届けた姉の引退も発表されたが、姉と同じG1タイトルのバトンを見事に受け継いでみせた。
川田騎手の巧さが光ったママコチャが勝利した一方、1番人気の支持を受けたナムラクレア(牝4、栗東・長谷川浩大厩舎)は、直線で前を行くライバル2頭を捉え切れず3着に惜敗。騎乗した浜中俊騎手は「悔しいのひと言ですし、申し訳ない気持ちで一杯です」と悔いが残る結果。管理する長谷川調教師も「勝ち馬にうまく乗られた」「フタをされる場面もありました」と認めつつ、「今度はこの悔しさを晴らしたい」と前を向いた。
ナムラクレアはスプリント重賞4勝を挙げている実力の持ち主だけに、「今回こそ」と戴冠を期待していた陣営だけでなく、同馬を推すファンも残念な結果に終わってしまった。3着に敗れたとはいえ、見せ場も十分に作った。レースは一発勝負の世界だけに、ホンの少しだけ運が足りていなかったということだろう。
しかし、元JRA騎手の大物2人は、少々異なる見解を述べていた。
元JRA田原成貴氏が浜中俊騎手に「辛辣」過ぎる公開説教?
「ナムラクレアは坂でひと伸び欠くのと前哨戦で消耗あるんやろな」とSNSで話した安藤勝己氏に対し、田原成貴氏はYouTubeの『東スポレースチャンネル』において、ナムラクレアの浜中騎手について、ちょっとした“公開説教”をしていたことが、ファンの間で話題に上がった。
勝った川田騎手とハナ差の2着に敗れた坂井瑠星騎手の騎乗について、ファンタスティックと称賛した田原氏だが、「ナムラクレアの敗因はなんでしょうか」というファンの質問には「やっぱり浜中君が下手だった」「下手でした、全然下手でした僕から見たら」「俺乗ってたら勝ってたかも分かんないよねってぐらい下手だった」と辛辣にも感じられる言葉が続いた。
詳細については本動画をご覧いただきたいのだが、道中の騎乗や進路取りなどについて持論を展開。騎手目線でのわかりやすい解説は、さすが元天才ジョッキーと唸らされる内容でもあった。
田原氏曰く「浜中君の非難でなくて解説をしているだけ。嫌いではないし応援もしている」とのことだが、もし浜中騎手が動画を見ていたなら今後の糧になるかもしれない。
「映像を見ても浜中騎手が道中で2度ほど外に出そうとしたシーンがありましたが、1度目はママコチャの川田騎手に押し返され、2度目はメイケイエールの池添謙一騎手に押し込まれていました。田原氏としては我慢できずに出してしまって、そうやって蓋をされるくらいなら、挟まれても仕方がないくらいの気持ちで待って欲しかったということでしょうね。
個人的にも少し後手に回る競馬に映りました。ゲートを出して行った割に周りの出方を窺ったのか、逃げたジャスパークローネの後ろを、躊躇わずに押していったマッドクールの坂井騎手に取られ、馬群に包まれる状況。浜中騎手の動揺が見て取れる動きでした。結果論ではありますが、これがプラスだったのかマイナスだったのかの判断は難しそうです」(競馬記者)
3戦目の小倉2歳S(G3)から13戦連続でコンビを組む浜中騎手としても、ナムラクレアのことは自分が一番わかっているという想いが少なからずあったと考えられるが、そこは結果を出してこそ認めてもらえる世界。初コンビで騎乗した川田騎手に、G1でいきなり完璧な結果を残されたのでは身も蓋もない。
川田騎手より先に24歳という若さでリーディングジョッキーの座に就いた浜中騎手としても意地があるはず。今回味わった屈辱を次走で晴らしたいところだ。