天皇賞・秋クラスの「頂上対決」が早くも実現!? グランアレグリア、サリオスらも輩出の超出世レース…陣営は「勝ったら無敵だね」と豪語
3日間開催の初日となる7日、東京競馬場では芝1600mを舞台にサウジアラビアロイヤルC(G3)が行われる。
昨年の優勝馬ドルチェモアはその後、朝日杯フューチュリティS(G1)を優勝し無敗のG1ホースとなった。過去の勝ち馬にもグランアレグリアやダノンプレミアム、サリオスといったG1馬が名を連ねている。
そんな紛れもない出世レースに、今年は9頭の2歳馬がエントリー。中でもボンドガール(牝2歳、美浦・手塚貴久厩舎)とシュトラウス(牡2歳、美浦・武井亮厩舎)の対決は、多くの関心を集めそうだ。
「頂上対決」が早くも実現!?
『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると、4日現在でボンドガールが1倍台の断然人気、シュトラウスは3倍前後の2番人気となっており、さらに離れた6倍前後の3番人気にゴンバデカーブース。下馬評では上位人気2頭の一騎打ちに近い構図だろう。
ボンドガールは『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でおなじみの藤田晋オーナーが、昨年のセレクトセールで2億3100万円(税込)の超高値で購入。半兄に昨年のダービーでドウデュースやイクイノックスを抑えて1番人気に推されたダノンベルーガがいるダイワメジャー産駒だ。
6月4日の新馬戦(東京・芝1600m)をD.レーン騎手とのコンビで快勝。チェルヴィニアやコラソンビートなど、下した2~6着の馬がすでに勝ち上がっていることも話題となっているが、特筆したいのは本馬がデビュー戦で繰り出した上がり3ハロン33秒0という末脚である。
実はこの時計、東京・芝1600mの新馬戦ではモリアーナなどと並んで歴代最速。ダイワメジャー産駒といえば父と同じく先行押切りタイプといった印象もあるが、晩年の産駒にはセリフォスのような鋭い決め手を持つ馬も登場し始めた。
そういった意味ではボンドガールも初戦の内容から「切れるダイワメジャー」の特徴を満たしている。上がり3ハロン最速の切れ味で昨年の富士S(G2)とマイルCS(G1)を連勝したセリフォスのような活躍も期待できそうである。
対抗格となるモーリス産駒のシュトラウスも、母が2008年のマイルCSを勝ったブルーメンブラットという良血馬だ。
こちらはボンドガールが勝った新馬戦の前日に、同じくレーン騎手とのコンビで9馬身差の大楽勝。東京・芝コースの2歳新馬戦で2着に9馬身以上の差をつけたのは、ノーザンプリンセス以来30年ぶりとなる快挙だった。
注目すべきはシュトラウスがこの着差をほぼ馬なりでマークした点だろう。強めに追えば差はさらに開いていたことは間違いない。ちなみに2位を1秒3も上回った上がり3ハロン34秒5のタイムは、不良馬場でマークしただけに価値がある。レース後にレーン騎手から「ポテンシャルが高い馬です」と絶賛する言葉が出たのも納得だ。
初戦の後は放牧に出され英気を養い、帰厩後の最終追い切りでは美浦のウッドコースを単走で軽快に駆け抜けた。武井調教師は「ここでボンドガールに勝ったら無敵だね」と豪語していたように、ライバル打倒に燃えているようだ。
「両馬の初戦で手綱を取ったレーン騎手がすでに帰国していることもあり、ボンドガールは川田将雅騎手、シュトラウスはC.ルメール騎手をそれぞれ配してきました。関西に所属する全国リーディング1位、2位のトップジョッキーに依頼していることからも、両陣営の並々ならぬ意気込みが伝わってきますね。
今秋の東京開催は天皇賞・秋(G1)とジャパンC(G1)でぶつかる予定のドウデュースとイクイノックスの対決に多くの関心が寄せられていますが、将来のG1馬候補といえるボンドガールVSシュトラウスの対決も来春のクラシックを占う好カードではないでしょうか」(競馬誌ライター)
暮れの2歳G1より先に牡牝の最強を懸けた2頭が激突するサウジアラビアRC。果たして当日、軍配はどちらの馬に上がることになるだろうか。