タスティエーラ負かした「元ダービー馬候補」がついに復帰! 一度はプラン浮上も「消滅」したC.ルメールと新コンビへ
今年4月の青葉賞(G2)を回避して休養に入っていたダノンザタイガー(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が9日、東京10Rの六社S(3勝クラス)で復帰する。奇しくも回避した青葉賞と同じ、東京・芝2400mの舞台で争われる一戦だ。
同馬は2020年のセレクトセールで約3億円という超高価格で取引されたハーツクライ産駒。昨年は単勝1.2倍でデビュー2戦目の未勝利を圧勝すると、クラシックの登竜門的レースである東京スポーツ杯2歳S(G2)でも0秒1差の2着に好走。ダービー馬候補の一角に躍り出た。
今年初戦に2月の共同通信杯(G3)を選択。管理する国枝調教師も「これまで手掛けたハーツクライ産駒で一番いい」と手応えを話しており、ここをステップに春二冠での活躍を大いに期待されていた。
しかし、レースでは最後の直線でスムーズさを欠いたこともあり、まさかの3着。大舞台出走に黄色信号が灯ると、その後に出走を予定していた若葉S(L)と青葉賞も共に脚部不安で回避し、春全休が決定。これには悲願のダービー初制覇を目指していた名伯楽が「すごく残念」と肩を落としたのも無理はない。
共同通信杯で負かしたタスティエーラはその後、ダービー馬に輝いた。素質で引けを取らないダノンザタイガーも無事なら、夢の舞台で好勝負出来ていたかもしれない。
一度はプラン浮上も「消滅」したC.ルメールと新コンビへ
そんなダノンザタイガーだが、復帰戦の六社Sでは主戦の川田将雅騎手に替わり、C.ルメール騎手と新コンビを組む予定だ。
これまでデビューから4戦すべてで川田騎手が乗り続けてきたダノンザタイガー。後に回避することにはなったものの、若葉S参戦を決めた際には、国枝調教師が「鞍上にこだわって決めた」と話していたほどである。
ただ、実はダノンザタイガーはデビュー2戦目でルメール騎手と新コンビを組むプランも浮上していたともいう。
「国枝厩舎の主戦といえば直近5年間で146回とトップの騎乗数を誇るルメール騎手ですが、本馬を所有するのは川田騎手と懇意のダノックスですから、これまではオーナーの意向も関係していたと思われます。
ちなみに川田騎手は、京都大賞典(G2)でヒートオンビートに騎乗する予定です。六社Sは重賞の裏開催ですが、ダノンザタイガーとルメール騎手の相性次第では、継続騎乗の可能性もありそうですね」(競馬誌ライター)
昨年の六社Sを勝ったブレークアップは、続くアルゼンチン共和国杯(G2)も連勝。暮れには有馬記念(G1)にも参戦した。ダノンザタイガーにもここからG1に進むような活躍を期待したい。