【秋華賞(G1)予想】リバティアイランドには逆らわず。ただし、組み合わせる馬は「一発狙い」の穴馬で

 今回は牝馬三冠の最終戦となる秋華賞(G1)を予想していく。

 まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。昨年、一昨年は阪神2000mでの開催だったが傾向に差が見られないのでまとめてみる。
ローズS 12頭
紫苑S 8頭
オークス 6頭
夕月特別(2勝クラス) 2頭
条件特別(2勝クラス) 1頭
条件特別(1勝クラス) 1頭
となっている。有力馬はオークス(G1)から前哨戦を使わず直行するケースが増えているが、実際には依然としてトライアル組の方が優勢。数は少ないが抽選をくぐり抜けて出走してきた条件馬の好走もあるので、抽選組と言えど軽視は禁物だ。

 続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 3-1-1-5
2番人気 0-4-0-6
3番人気 5-0-2-3
4~6番人気 2-4-2-22
7~9番人気 0-0-3-27
10番人気以下 0-1-2-80
となっている。3番人気の数字が抜けていいが、近5年だと3頭しか来ておらず、1番人気、2番人気と頭数は同じ。鉄板というほど信用はできないようだ。次いで中穴クラスの数字がいいのだが、近5年に絞ると7番人気以下が3頭、うち10番人気以下が2頭と波乱を呼んでいる。トライアルで凡走した馬や条件馬が該当しているので、その辺にもやはり気を配る必要がありそうだ。

 そして、またも天気が怪しい。前日の夕方から翌早朝まで雨が本降りになりそうで、開催時間帯も小雨が降る可能性が高そうな予報である。雨のち晴れの予報なので、晴れるタイミングによっては良まで回復する可能性もゼロではないが、稍重くらいまでは渋りそうな様子である。3歳馬だけに場数を踏んでいないので、重適性が掴みづらいが念頭に置いて予想は進めたい。

リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 これを踏まえても「◎」は6番リバティアイランドで仕方ないだろう。

 前走はオークスで、道中は中団の前目につけて追走。直線では余裕残しで抜け出すと、そのまま後続に6馬身差をつける圧勝だった。

 阪神ジュベナイルF(G1)からG1・3連戦で3連勝。桜花賞(G1)は出遅れたこともあり、僅差の勝利となったが、オークスでは正攻法のレースで大楽勝してみせた。あのくらい余裕のある勝ちっぷりを見せられると、今回のメンバーではおそらく歯が立たないだろう。

 陣営によれば「調教を重ねていい体つきになった」として「落ち着きつつ、調教で凄みを感じる」と高評価。京都内回りの2000mは「決して合うコースではない」としながらも「スムーズに運べれば結果はついてくる」と、余裕のコメントを出している。

 強いて言うなら良馬場しか走ったことがないので、馬場が渋った場合にどうなるかという点だが、極端な荒れ模様になるわけではなさそう。重馬場くらいまで渋っても、あっさり乗り切ってしまうのではないか。昨年はスターズオンアースが逃した三冠、今年は楽に達成してしまうと思われる。


「○」も人気サイドだが8番モリアーナを挙げる。

 前走は紫苑S(G2)。内枠からスタートしてポジションを下げ、後方待機策を選択。速いペースで流れていく中、少しずつポジションを上げていき、直線へ。直線に入ると瞬発力を爆発させ、一気に伸びると前で粘っていた2着馬をゴール手前で差し切り、勝利した。

 この馬は阪神JFにも出走し、3歳初戦にクイーンC(G3)を選んで3着に入るも、賞金の関係もあってかクラシックへ向かわずニュージーランドT(G2)からNHKマイルC(G1)というローテーションを踏んだ。

 陣営は前走に関して「届きそうもない位置から差し切った」勝利を高評価しており、調整は「ゆとりを持ってできた」とのこと。「スタートが決まれば前にも行ける」として「位置取りは鞍上に任せる」と横山典弘騎手に託す。

 以前、紫苑S組は苦戦を強いられていたが、ここ数年は紫苑Sの勝ち馬が好走する例が増えている。NHKマイルCも6着に敗れているものの、着差は0.5秒とそれほど負けているわけではない。稍重も経験しており、前走も勝利を挙げているなど適性は高そうである。決め手のある馬ではあるが、渋ったら渋ったで狙える点も含めて積極的に押さえておきたい。

ヒップホップソウル 撮影:Ruriko.I

「▲」は穴馬、15番ヒップホップソウルを推す。

 こちらも前走は紫苑Sで、道中4番手の積極策で抜け出して粘ったが、後ろから来た○モリアーナに差し切られて2着になった。

 桜花賞こそ出走しなかったが、フラワーC(G3)2着からオークスでは6着に入った。休み明けの初戦と同時に賞金加算も考えてのトライアル出走だったと思われるが、正攻法の競馬で2着に入り出走権と賞金加算に成功した。

 陣営は「精神面の成長が見られて収穫は多かった」と前走を振り返りつつ、中間は「後ろから来られた時にも反応できるような調教をしてきた」とのことで「平坦の京都なら粘り込む可能性もある」と強気のコメントを出している。

 実際、着外に飛んだ2戦はスタートと向正面で不利を受けたこともあり、これが敗因につながっている可能性が高い。こちらも重賞2着2回の実績を買って押さえておきたい。


「△」は穴人気しそうな5番ドゥーラと穴馬3番マラキナイアの2頭とする。

ドゥーラ 撮影:Ruriko.I

 ドゥーラの前走はクイーンS(G3)で、スタートからは中団につけて追走していたが、4コーナー2番手通過で直線へ。前に残っていた馬を直線外から交わしていき、そのまま勝利を挙げた。

 前走と2歳時に重賞を勝ち、メンバーの中では実績上位と言えるだろう。クイーンSからのローテーションは過去10年で好走例がないが、オークスで3着に入ったようにポテンシャルの高さは確かなもの。特に前走は斤量で恵まれたとはいえ、古馬牝馬を相手に堂々の勝利を挙げているだけに侮れない。

 陣営からは「1週前追い切りで戦闘モードになった」とのことで「雨が降っても問題はなく、あとは強い相手にどこまで迫れるか」と自信を滲ませるコメントが出ている。

 上がりタイムは速くないものの、上がり最速や2位を持っているように、それなりの決め手はある。位置取りにもあまり注文がつかないタイプだけに一発も考えられるとして押さえておきたい。


 マラキナイアの前走はローズS(G2)で、スタートしてポジションを下げるとそのまま後方へ。かなりのハイペースで流れていき、直線へ。前にいた馬が崩れていく中、後ろから脚を伸ばし、不利を受けながらも3着に割って入った。

 この馬は新馬戦を勝ったあと、アルテミスS(G3)に出走し5着。次走1勝クラスでも6着で2歳シーズンを終える。3歳はチューリップ賞(G2)から始動したが9着と大敗し、自己条件に戻って2勝目。続く2勝クラスは2着と勝ちきれなかったが、トライアルを使われて優先出走権を獲っての出走となる。

 陣営は「1戦使ったあとでもテンションが上がることなく、しっかりしてきた」として成長を感じている様子。前走も「直線で外に張られる不利がありながら出走権を確保できた」ということで、相手は強いが「いい競馬はできる」と前向きなコメントが出ている。

 今回は川田将雅騎手から乗り替わりで、テン乗りの池添謙一騎手にチェンジしているが、大舞台での一発が期待できる騎手。先週も京都大賞典(G2)を勝っているなど調子はいいはずだ。ローズS組は勝ち馬より負けた馬の方が好走例が多いだけに、こちらも一発に期待できると考えている。


 ということで、今回は6番リバティアイランドの頭で3番、5番、8番、15番へ3連複流しの6点勝負とする。リバティアイランドが一本被りしている分、それ以下の馬のオッズが高い。組み合わせ次第では思わぬ高配当も期待できるはずだ。

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