「今日は練習かと思った」ソングライン厩舎に大物2歳馬が登場!? イスラボニータ産駒は「東京で1日4勝」の大暴れ!

撮影:Ruriko.I

 15日、京都競馬場では秋華賞(G1・芝2000m)が行われ、単勝オッズ1.1倍の断然1番人気リバティアイランドが完勝。JRA史上7頭目となる牝馬三冠馬が誕生した。

 そんな記念すべき日に東京競馬場のメインレースで行われたのは、3歳以上のリステッド競走・オクトーバーS(芝2000m)だ。

 一本被りの秋華賞とは対照的に、こちらは7頭が単勝オッズ1桁台という大混戦。これを制したのは、4番人気のヤマニンサルバム(牡4歳、栗東・中村直也厩舎)だった。鞍上の三浦皇成騎手が果敢にハナを切ると、直線はしぶとい脚で後続の追撃を振り切っている。

 ヤマニンサルバムの父は、2014年の皐月賞(G1)を制したイスラボニータ。古馬になってからはマイル路線を中心に息の長い活躍を見せ、6歳秋に引退するまで重賞6勝を挙げた。

 種牡馬としては、初年度産駒のプルパレイが22年のファルコンS(G3)を制覇。他にバトルクライがダート戦線で活躍しているが、これまでG1を狙えるような大物はまだ誕生しておらず、期待に応えられているとは言い難い状況だ。

イスラボニータ産駒は「東京で1日4勝」の大暴れ!

 そんなイスラボニータの産駒だが、15日の東京では芝・ダート問わず大活躍。ヤマニンサルバムの勝利がなんと同日の4勝目だった。

「この日の東京は雨の影響で芝は重、ダートは不良で開催されました。特殊な馬場も合っていたのか、イスラボニータの産駒は5Rから何と3連勝。メインレースの勝利も合わせて1日4勝の大暴れでした。

特に将来性を感じさせたのは、5Rの新馬戦で先陣を切ったカルツァクライン(牡2歳、美浦・林徹厩舎)です。14頭立ての5番人気と、前評判はそれほど高くありませんでしたが、中団追走から直線で力強く末脚を伸ばして完勝。半姉が21年のエリザベス女王杯(G1)で2着したステラリアですから、今後の伸びシロにも大きな期待ができそうです」(競馬誌ライター)

 レースでは津村明秀騎手を背に外目の13番枠から好スタートを決めると、スッと中団に控えるセンスの高さを見せた。道中もしっかりと折り合いをつけ、勝負所で徐々に進出すると、直線残り250m地点で先頭に。最後は外から迫ったタルタロスに詰め寄られたが、クビ差で押し切って初陣Vを決めた。

 まさに優等生といえる内容で勝利を収めたカルツァクラインだが、実はレース前は不安要素も抱えていたようだ。

「調教で口向きが難しく、返し馬でもひどくて今日は練習かと思ったほどでした」

 レース後にそう吐露したのは他でもない津村騎手だ。

 実際にパドックでも、やや集中力を欠いた面を見せたり、厩務員に甘えるしぐさを見せたり、いかにも2歳馬という雰囲気。それでも津村騎手が「レースではしっかりと走って3、4コーナーで進出して直線ではまっすぐ走り、初戦としては合格点です」と、高評価を下した。実戦で合格点の走りを披露できたのは、さすが良血馬といったところだろう。

 ちなみに同じ林厩舎にはマイルG1を3勝している女傑ソングラインがいる。同馬はすでに5歳となり、クラブの規約で現役生活も残りわずか。カルツァクラインは偉大な先輩に代わり、来年以降のマイル界を沸かせる存在となれるか、今後に要注目だ。

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