横山武史「コメント拒否」騒動の発端ともいわれる実力馬から降板…「この馬はG1レベル」最大級の賛辞も連続不完全燃焼で外国人騎手にスイッチ

ナミュール 撮影:Ruriko.I

 不完全燃焼のまま袂を分かつことになるようだ。

 21日に東京競馬場で行われる富士S(G2)。17日現在、『netkeiba.com』で公開されている単勝予想オッズで1番人気に推されているのがナミュール(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)である。

 昨年のチューリップ賞(G2)を1番人気で完勝した同馬は、オークス(G1)3着、秋華賞(G1)では僅差の2着に入ったこともあり、今春は初のG1制覇が期待された。しかし、ヴィクトリアマイル(G1)と安田記念(G1)で共に不利を受けてしまい、消化不良のまま春の戦いを終えることとなった。

 今回は4ヶ月半ぶりの一戦となるが、管理する高野師は『デイリースポーツ』の取材に「リフレッシュして元気な状態で帰ってきました。調教も順調にこなしていますし、力を出せる仕上がりです」と、仕上がりに関しては太鼓判を押している。昨年の牝馬クラシックの内容から実力は間違いないだけに、今秋こそは、タイトル奪取に期待したいところだ。

連続不完全燃焼で外国人騎手にスイッチ

 なお今回は短期免許で来日のJ.モレイラ騎手と新コンビを予定。ここ8戦連続で手綱を取っていた主戦の横山武史騎手は乗り替わりとなるようだ。

 先述のチューリップ賞で初コンビを組み、見事な手綱さばきで勝利に導いた横山武騎手。その後は白星こそないものの、今年初戦の東京新聞杯(G3)で2着となったレース後には「この馬はG1レベル」と、ナミュールに最大級の賛辞を送っていたほどである。

 続くヴィクトリアマイルでは2番人気の支持。多くの競馬ファンが同騎手の言葉通り、ここでナミュールに勝ち負けを期待していたに違いない。

 しかし、スタートしてすぐに内に進路を寄せてきたソダシの煽りを受けてしまい、鞍上が手綱を引っ張るなど落馬寸前の不利……。その影響が大きかったか、直線でももうひとつ伸びを欠いて7着に終わった。

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 レース後、横山武騎手は「あんな不利があっては走る馬も走れない」「落馬しなくてよかった」と、かなりの憤慨を思わせるコメントを残した。他馬の妨害によりナミュールの初G1制覇のチャンスが霧散してしまっただけに、怒るのも当然だろう。

 だが、この発言に対してはSNSやネット掲示板などで「不利を言い訳にするな」といった批判的なコメントも一部のファンからついたようで、横山武騎手もそれを目にしたという。そのことを気にしてかそれ以来、レース後にコメントを控えるケースも増えたようだ。

 実際にソールオリエンスと挑んだ9月のセントライト記念(G2)では、4コーナーで振られる不利もあり2着に敗れたが、よほど悔しかったのか横山武騎手はレース後に「コメント拒否」騒動を巻き起こしている。これの発端となったのが、ナミュールのヴィクトリアマイルの一件であったということである。

 なお、ヴィクトリアマイルの次走となった安田記念でも、ナミュールは最後の直線で進路が挟まれるような格好となり16着大敗。「また不利を受けてしまい悲しいです」と横山武騎手はレース後、2戦連続の不運を嘆いていた。

 それだけに今秋は巻き返しを期待したいところだったが、2走連続の不利で人気を下回る着順になったこともあってか、手綱が回ってくることはなかった。東京新聞杯の後にG1レベルと絶賛していたにもかかわらず、その後の大舞台で全能力を発揮させることができぬまま他のジョッキーに手綱を譲ってしまうことは、横山武騎手にとってもやや複雑かもしれない。

 スポット参戦であるモレイラ騎手が帰国した後、果たしてリベンジの機会はやってくるだろうか。

GJ 編集部

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