BCクラシック参戦のウシュバテソーロ!「怠惰な労働者」は転向から1年半で世界最強ダートホースとなるか!?

 アメリカで開催される競馬の祭典ブリーダーズC(以下BC)。今年は11月3日に2歳G1、11月4日に3歳以上G1レースが連続して行われる。

 競馬大国アメリカが日本競馬に与えた影響は大きい。特にミスタープロスペクターやサンデーサイレンスといった大種牡馬や、エルコンドルパサーやタイキシャトルといったアメリカ生産馬は血統的な意味でも日本競馬の発展に多大な貢献をした。

 そんなアメリカでのトップレース制覇は、凱旋門賞(G1)と同じく日本競馬の悲願でもあった。21年にラヴズオンリーユーがBCフィリー&メアターフで、マルシュロレーヌがBCディスタフで日本史上初のBC制覇を果たしたことは記憶に新しい。

 次なる快挙をあげるため、今年も日本から以下の有力馬たちが出走予定だ。

BCフィリー&メアスプリント(G1ダ1400m)
メイケイエール(※)

BCターフスプリント(G1芝1000m)
メイケイエール(※)

BCマイル(G1芝1600m)
ソングライン
ウインカーネリアン

BCクラシック(G1ダ2000m)
ウシュバテソーロ
デルマソトガケ

BCターフ(G1芝2400m)
シャフリヤール

※メイケイエールはどちらかのレースに出走予定

 日本のマイル王ソングラインが挑むBCマイルに、ダービー馬シャフリヤールと英愛ダービー馬オーギュストロダンが激突するBCターフと見所は盛りだくさんだ。

 その中でも注目したいのは世界最高峰ダートレースの1つドバイワールドC(G1)を制したウシュバテソーロ(牡6歳、美浦・高木登厩舎)によるBCクラシック挑戦だろう。

 ウシュバテソーロは休養明け初戦の日本テレビ盃(G2)でも持ったままで2馬身1/2差で楽勝し、大舞台に向け視界良好と言ったところだ。

 ウシュバテソーロの特筆すべき点と言えばそのキャリアだろう。元々芝を走っていたものの成績はパッとしないまま5歳を迎えていた。

 しかし22年4月にダート転向すると、初戦から上がり最速で4馬身差の圧勝。そこからあっという間に国内G1を2勝してしまった。ドバイWCを制したのはダート転向から1年足らずというスピード出世だ。

「怠惰な労働者」は世界最強ダートホースとなるか!?

 またウシュバテソーロは追い切りやパドックでやる気のない様子を見せておきながら、レース本番では圧勝劇を見せるのが定番になっている。そのオンオフのギャップは海外メディアから「怠惰な労働者」と呼ばれるほどだ。

 ドバイWCで鞍上を務めた川田将雅騎手は雑誌のインタビューで、ウシュバテソーロが追い切り前に、既に追い切りが終わった他馬と一緒に帰ろうとしたと語っているが、ちょっとしたズルさと賢さを感じられるエピソードだ。

 同じく癖の強い名馬と言えばゴールドシップが思い浮かぶ。ゴールドシップの父ステイゴールドはウシュバテソーロの祖父にあたるが、父系の血の特徴といえるだろうか。

 ダートが芝より主流かつ格上とされる中東とアメリカはダートの本場。よってウシュバテソーロが勝利すれば世界最高峰のダートレースを2か国で制覇したこととなり、正真正銘の世界最強ダートホースと言える。

 稀代の個性派ウシュバテソーロは現在6連勝中。この勢いのままBCクラシックを制覇し、日本競馬に新たな歴史を刻めるだろうか。

GJ 編集部

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