G1級の「超豪華メンバー」が参戦する富士Sのここが凄い! 「行方不明疑惑」ステラヴェローチェも1年半ぶりに登場…実力伯仲の混戦は菊花賞以上?

 先週末の秋華賞(G1)は、春のクラシック二冠を制したリバティアイランドが、断然人気に応えて見事勝利。史上7頭目の牝馬三冠に輝いた。今週末の22日には牡馬クラシックのラスト一冠となる菊花賞(G1)が同じく京都競馬場で行われる。

 菊花賞で皐月賞馬とダービー馬の対決が実現するのは、2000年のエアシャカール(1着)とアグネスフライト(5着)以来23年ぶり。今年の皐月賞馬ソールオリエンスとダービー馬タスティエーラの戦いも実に興味深い。

 前者は前哨戦のセントライト記念(G2)で2着に敗れ、後者もダービーから直行するため、秋華賞のリバティアイランドのような抜けた存在はいない。予想をする上でも混戦模様のレースといえるのではないか。

 ただ、菊花賞の前日に東京競馬場で行われる富士S(G2)も、今年はなかなかの好メンバーが揃い、楽しみな一戦となりそうだ。

実力伯仲の混戦は菊花賞以上?

 とにかく凄いのが、2年前のホープフルS(G1)を優勝したキラーアビリティをはじめ、出走予定馬の12頭中9頭が重賞を勝っていることだ。

 行方不明疑惑もあった中、約1年半ぶりのターフに姿を見せるステラヴェローチェ、前走の横山武史騎手からJ.モレイラ騎手へと乗り替わるナミュール、坂井瑠星騎手が騎乗するユニコーンライオン、田辺裕信騎手のマテンロウオリオン、さらに重賞勝利こそないが横山典弘騎手のダノンタッチダウンを含めた5頭はG1レースで連対実績がある実力の持ち主だ。

 そして重賞勝ちのない馬にしても、エターナルタイムはC.ルメール騎手が重賞級と期待する素質馬で、ジャスティンスカイも2戦2勝の東京マイルに舞台が替わるのは好材料といえるだろう。

 複数のG1馬が出走した今年の札幌記念(G2)や毎日王冠(G2)も「スーパーG2」として大きな盛り上がりを見せたが、富士Sもこれらに引けを取らない「ハイレベル」の戦いに期待が出来そうである。

ステラヴェローチェ 撮影:Ruriko.I

 やはり色んな意味で注目度が高いのは、ステラヴェローチェの復帰だろう。休養期間は非常に長引いたものの、元々の実力は折り紙付き。8月下旬から栗東坂路を中心にじっくり乗り込まれ、好時計を連発している。ここで好走するようなら秋のG1戦線で楽しみな存在となる。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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