横山武史「ナミュール快勝」に胸中複雑!? 新パートナーJ.モレイラが一発回答、自身は「シンガリ」大惨敗…雪辱の機会はやってくるか
21日に行われた富士S(G2)は、最後の直線で脚を伸ばしたナミュール(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が1馬身1/4差の快勝。昨年3月のチューリップ賞(G2)以来となる、重賞2勝目を手にした。
初コンビながら見事なエスコートで勝利に導いたのが、“マジックマン”ことJ.モレイラ騎手だ。「直線でスペースができると良い瞬発力でした。後続に来られても余裕がありましたし、差されない自信がありました」とレース後、ナミュールの走りに賛辞を送っている。
また同馬を管理する高野師も「良い状態だと、こういうパフォーマンスのできる馬」と、今回の勝利に納得のコメント。さらに「2400mまで選択肢に入る。何とかG1の勲章を取らせたい」と今後の展望を語った。優先出走権を獲得したマイルCS(G1)はもちろん、エリザベス女王杯(G1)やジャパンC(G1)に参戦してきても面白い存在になりそうだ。
横山武史騎手「ナミュール快勝」に胸中複雑!?
そんなナミュールの富士S快勝に、前任の横山武史騎手は胸中複雑かもしれない。
同騎手はナミュールと初コンビとなったチューリップ賞を快勝。前走の安田記念(G1)まで8走連続で手綱を取り続けてきた。昨年の牝馬三冠レースにも皆勤しており、桜花賞(G1)では1番人気の支持を受けた。オークス(G1)3着、秋華賞(G1)2着と勝利こそなかったものの、苦楽を共にしてきた間柄である。
今年初戦の東京新聞杯(G3)では惜しくも2着に敗れたが、レース後の横山武騎手は「この馬はG1級」とナミュールの潜在能力を改めて絶賛。今春は待望のG1タイトル奪取が期待されていた。
しかしヴィクトリアマイル(G1)と安田記念では共に不利を受けてしまい、それぞれ7着、16着に敗れてしまうなど、相棒の全能力を発揮させることができなかった。その影響もあってか、今回はスポット参戦中のモレイラ騎手に乗り替わりになってしまうと、まさに今春の鬱憤を晴らすかのような快勝を決められてしまったのである。
「ナミュールとコンビ解消となった横山武騎手は、一昨年にホープフルS(G1)を制したキラーアビリティとのコンビで富士Sに参戦。12頭立て10番人気と低評価でしたが、初のマイル戦で変わり身が期待されていました。
しかしレースでは終始最後方を追走すると、最後の直線でも1頭も交わせずにシンガリ大惨敗。まったく見せ場を作ることができなかった上、元パートナーのナミュールに勝たれてしまっただけに、より複雑な心境だったかもしれません」(競馬誌ライター)
ただナミュールの高野師は富士Sの後、『東京スポーツ』の取材に「安田記念は自ら招いた不利だと思っています。ポジショニングもそうですし、エンジンがかからないうちに、ああなってしまいました」と、前走でスムーズさを欠いた理由は仕上がり面にも問題があったことを述べている。
ちなみにナミュール陣営は次走について「ジョッキーも含めていろいろな選択肢があるので、クラブと相談して考えます」と話しており、モレイラ騎手の続投が決まっているわけではなさそうだ。
果たして、横山武騎手に雪辱の機会はやってくるだろうか。