元JRA安藤勝己氏「あの逃げは勿体ない」ジャックドール藤岡佑介に苦言…消極的騎乗で「降板」した昨年から一転、積極果敢にハナを奪うも賛否両論

ジャックドール 撮影:Ruriko.I

 29日に行われた天皇賞・秋(G1)は、単勝1.3倍に推されたイクイノックスが2馬身半差で優勝。超豪華メンバーが揃ったことで話題を集めたが、終わってみれば世界No.1ホースの独壇場だった。

 勝ちタイムは1分55秒2の日本レコード。従来の記録を一気に0秒9も更新したのだから、まさに驚愕といっていい。騎乗したC.ルメール騎手がレース後「時計を見てビックリしました」と振り返ったのも当然だろう。

 そんなスーパーレコード決着の要因となった1頭が、ジャックドール(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)と手綱を取った藤岡佑介騎手であることは間違いない。

 8枠10番からスタートした人馬は、手綱を押してハナを奪うと、前半1000m通過57秒7というハイペースの逃げを展開。さすがにオーバーペースすぎたのか、最後の直線で早々に失速。シンガリの11着でフィニッシュしている。

 ただ、昨年の天皇賞・秋で同コンビは控える競馬を選択し、瞬発力勝負で後れを取って敗退。それまで逃げ先行で結果を出してきた同馬だったが、大一番で消極的なレース運びをしたことが引き金となってか、次の香港C(G1)から武豊騎手に乗り替わりとなってしまった。

 今回は、その武豊騎手がドウデュースに騎乗するということもあり(負傷のため当日、戸崎圭太騎手に乗り替わり)、1年ぶりにコンビが復活していた。

藤岡佑介騎手 撮影:Ruriko.I

「向正面ではハナに立っていこうと決めていました」と振り返った通り、藤岡佑騎手も昨年と同じ轍だけは踏むまいと、ある程度は積極果敢に運ぼうと決めていたのだろう。結果的に大敗こそしたものの、ネットの掲示板などでは「今年はしっかりと逃げてくれてよかった」「負けたけど納得のレース」といった声もファンから寄せられていた。

元JRA安藤勝己氏 ジャックドール藤岡佑介騎手に苦言…

 しかし、そんなジャックドールと藤岡佑騎手の競馬に異論を唱えたのが、元JRA騎手の安藤勝己氏だ。

 安藤氏は自身のSNSに「賛否両論あるやろけど」と断った上で、「オレの意見としてジャックドールの外枠からあの逃げは勿体ない」と話し、「ジワっとなら58秒台で逃げられるのに行く気で出してもうた」と、やや積極的に行き過ぎたことを嫌うような見解を述べた。

 ちなみにジャックドールが武豊騎手とのコンビで逃げ切った今年4月の大阪杯(G1)は、前半1000m通過が58秒9というペース。実は同馬がこれまでのキャリアで逃げ切りを決めたレースはすべて、前半5ハロンを58秒9よりも遅いペースで通過しているのである。

 そのこともあってだろう、安藤氏の見解に対しては「確かに今回はちょっと行き過ぎのようにも見えました」「アンカツさんの言う通りだと思う」「もう少しペースを考えないと」など、賛同するコメントも多く寄せられていた。

「これはなかなか判断が難しいところですね。58秒後半くらいで逃げるのが、ジャックドールにとっては一番持ち味を出せるのかもしれませんが、今回そのペースで行っていたらガイアフォースにハナを譲っていた可能性もあったでしょう。また藤岡佑騎手にとっては昨年の件もあるだけに、多少強気に行かざるを得なかったような面もあったと思います。

それにしても昨年は控えたことで乗り替わりとなり、今年はハナを奪ったにもかかわらず賛否両論が巻き起こってしまった藤岡佑騎手は、多少気の毒であるような気もします(苦笑)」(競馬誌ライター)

 なお、渦中の藤岡佑騎手はレース後、「4コーナーを待たずしてバタバタという感じになりました。これだけの勝ち時計の競馬でアグレッシブに行った結果だと思います」などと、それなりにやりたいレースはできたという旨のコメントを残している。

 コンビ復活の初戦は結果こそ残念なものとなったが、引き続きジャックドールに騎乗するようであれば、巻き返しに期待したいところだ。

GJ 編集部

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