【BCクラシック展望】「日本最強」ウシュバテソーロが挑む本場ダートの頂上決戦!「世界最高峰」の舞台で王者に立ちはだかる最強馬たち

 ドゥレッツァが驚異の逃げで完勝した菊花賞(G1)。イクイノックスが劇的な連覇を遂げた天皇賞・秋(G1)。国内競馬が歳末に向け熱を帯びる一方、アメリカ競馬も今年最大のクライマックスを迎える。北米競馬最大の祭典「ブリーダーズカップ(G1・以下BC)」が今週末、ロサンゼルス近郊のサンタアニタパーク競馬場で開催されるのだ。

 BCは1984年、カジノ・宝くじ合法化の煽りを受け衰退しつつあった競馬人気の再興を目的に設立された。以後、獲得賞金は世界トップクラスを争い、チャンピオンS(英G1)や凱旋門賞(仏G1)に勝るとも劣らない権威を誇る。11月初旬の週末にかけ14ものG 1競走が行われ、中でもBCクラシック(ダート2000m)は最大の注目を集めるレースであり、下半期の大目標として世界中のホースマンが夢見る舞台だ。

 日本馬のBC挑戦の歩みは、1996年・1997年のタイキブリザード(BCクラシック・最高6着)から始まる。初めて入着を果たしたのは、2010年のレッドディザイア(BCフィリー&メアターフ・芝2200m・4着)。そして2021年、ラヴズオンリーユー(BCフィリー&メアターフ)、マルシュロレーヌ(BCディスタフ・ダート1800m)によって、初勝利にして二冠達成の偉業が遂げられ、日本競馬史に新たな1ページを刻んだ。

 今年は2021年に続き再び西海岸での開催であり、日本からのアクセスが良いこと、得意な良馬場を狙える気候の背景もあってか、日本の出走馬は過去最多の9頭に上る。

 北米メディアが有力視する日本馬は、なんといっても目玉であるBCクラシックに出走予定のウシュバテソーロだ。昨年末の東京大賞典(G1)を皮切りに、川崎記念(G1)、ドバイワールドC(G1)と3連勝。叩きの日本テレビ盃(G2)も余裕で制し、勢いに乗った状態でレースに臨む。古馬となり鮮烈なまでの本格化を遂げた砂の寵児は、ダート競走が重要視されるアメリカ競馬において、存在感を増すばかりである。

 そんなウシュバテソーロに立ちはだかる強豪が、アルカンジェロ、アレイビアンナイト、ホワイトアバリオ等、粒の揃ったアメリカのG1ホースたちだ。

 特に3歳馬の層の厚さが目立ち、アルカンジェロは、その圧倒的なパフォーマンスでBCクラシックの最有力と目される。前走のトラヴァーズS(G1)では、ケンタッキーダービー馬・メイジを含むスターホース達を相手に余力を残して完勝し、3歳の世代最強馬として大きな注目を集めている。

 賞金総額600万ドル(約9億円)をかけ、若馬と古馬が激突するBCクラシック。激しく舞う砂塵、照明が炙り出す汗光る馬体。世界中から集まった砂の名馬が鎬を削る夜のスペクタクルは、アメリカ競馬最大の祭典を締めくくる勝負にふさわしい。

 ウシュバテソーロがドバイから返す刀でBCクラシックを制すのか、ダート王国・アメリカの若駒がその牙城を守るのか。発走は11月4日15時40分(日本時間:11月5日7時40分)。手に汗握るパワフルな戦いを見届けよう。

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