戸崎圭太「ジョッキーカメラ」お蔵入り濃厚に疑問の声? C.ルメールと川田将雅が伝えた最強決戦の臨場感…武豊「想定外」アクシデントも非公開の違和感
ダービー以来となるイクイノックスとドウデュースの直接対決が実現した天皇賞・秋(G1)。大きな注目を集めた「世界最強VS世代最強」の頂上決戦を制したのは、C.ルメール騎手が騎乗したイクイノックスだった。
「強さを見せられて良かった」「勝つ自信がありました」「完璧な馬です」
完全無欠のパートナーを名手がそう称えたように、この日のイクイノックスは何もかもがパーフェクトといえる走りを披露した。
ハナを主張したジャックドールが逃げたレースは、前半1000m通過が57秒7のハイペース。昨年のパンサラッサのような大逃げに持ち込みたかった藤岡佑介騎手だが、そうはさせまいとガイアフォースの西村淳也騎手が2番手でピタリとマークし、息を入れることすら許されなかった道中は、最初の1Fを除いて11秒台のラップが続く非常にタイトな流れを演出した。
最後の直線で最後方を追走していた2着ジャスティンパレス、3着プログノーシスが力尽きた馬たちを飲み込んだように、積極策を採った組は総崩れ。それほどまでに過酷なサバイバルを3番手から抜け出して悠々とゴールしたのだから、世界最強馬の異次元の強さばかりが目立った。
勝ちタイム1分55秒2は、2019年の同レースを1分56秒2で駆け抜けたアーモンドアイすら破れなかった、2011年トーセンジョーダン(1分56秒1)を0秒9も更新するスーパーレコードだった。
そしてファンにとってもうひとつの楽しみとなるのが、JRAがレース後に公開する「ジョッキーカメラ」の存在。臨場感たっぷりの映像には、上下の揺れが少ないルメール騎手の安定感ある騎乗ぶりや、「強過ぎ」「1分55秒(笑)」「時計凄い!見たことない!」「Yes,チャンピオン」といった生の声に加え、ファンの呼びかけに対し「楽しメール」と返す上機嫌な姿が収められていた。
同じくもう1本公開されたのがプログノーシスに騎乗した川田将雅騎手の映像。スタート前に発する「ほーほーほー」という軽妙な呼びかけや、前を走るジャスティンパレスより先にポジションを上げて蓋をする、巧みな手綱捌きも目を引いた。
戸崎圭太騎手「ジョッキーカメラ」お蔵入り濃厚に疑問の声?
その一方で違和感が残ったのは、イクイノックスとプログノーシスの動画が用意されていながらドウデュースの映像が公開されていなかったことだ。
1番人気イクイノックスは当然としてもプログノーシスは3番人気。打倒イクイノックスの最右翼と目される2番人気に支持された馬が非公開だったことに対し、ネットの掲示板やSNSなどで「あれ?ドウデュースは?」「何か公開できない理由でもあるの?」と疑問視する声も出ていた。
「5R終了後の検量室前で武豊騎手が馬に蹴られる想定外のアクシデント。これを受けて戸崎圭太騎手と急遽コンビを結成することになりましたが、最後の直線で伸びを欠き7着に敗れてしまいました。
“これが実力ではない” と陣営が悔やんでいましたが、かといってそれが公開できない理由とまではならない気がします。カメラはレース中の音声も収録されているため、何かしら支障のあるものが含まれていたのか、それとも陣営からNGが出たのか、ハッキリとした理由は分かりませんね」(競馬誌ライター)
当初は武豊騎手が騎乗を予定していただけに、アクシデントさえなければ何の問題もなく公開されていたかもしれないドウデュースのジョッキーカメラ。ほろ苦い結果に終わってしまったとしても、戸崎騎手の騎乗する映像を見たいと望んだファンは少なくなかったはずだ。
もしこのままお蔵入りとなるようなら非常に残念である。