「3.3億円」大物も戦線離脱中…ディープインパクト「最終世代」残り4頭。オーギュストロダンに続く、最後の傑作はあの馬?
ディープインパクト産駒「最終世代」の大物が5つ目のG1タイトルを手にした。
4日に行われたブリーダーズCターフ(米G1)は、欧州で活躍するディープインパクト産駒オーギュストロダン(牡3歳、愛・A.オブライエン厩舎)が勝利。内を突いた見事なコーナリングで早々と先頭に立ち、そのまま最終直線を突き抜け、同父のダービー馬シャフリヤールの追い上げを凌いでみせた。
最後に12頭の産駒を残して、この世を去ったディープインパクト。うち6頭がオーギュストロダンを含む海外馬で、もう6頭はJRAに登録されたが、すでに2頭が登録抹消され、残すは4頭。数少ない中から重賞馬こそ出したものの、とうとう初年度産駒から続いた「国内クラシック勝利」は叶わなかった。
そんな国内ラストクロップで唯一重賞を勝っており、クラシックにも出走したライトクオンタム(牝3歳、栗東・武幸四郎厩舎)はご存知のファンも多いだろう。
ディープインパクト「残り4頭の最終世代」
ライトクオンタムは父の主戦・武豊騎手を背に今年のシンザン記念(G3)を勝利。しかし、2番人気に推された桜花賞(G1)は8着、オークス(G1)ではブービー17着に沈んだ。斤量52kgで臨んだクイーンS(G3)も9着…どこかで浮上のきっかけを掴みたい。
もう1頭「クラシック級」と期待されたのが、セレクトセールにて3億3000万円で落札されたオープンファイア(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。単勝1.3倍の人気に応えて新馬戦を勝つと、今年のきさらぎ賞(G3)ではアタマ差2着。レース後、鞍上のB.ムルザバエフ騎手は「将来はすごい馬になると思いますし、その時に乗っていたい」と称賛した。
しかし、同馬は予定していた青葉賞(G2)を脚部不安で回避。放牧に出されてから音沙汰がなく、期待されたクラシック戦線でも姿を見られなかった。父譲りの末脚で素質を見せていただけに、復活が待たれる。
そして、G1・3勝の名牝スイープトウショウの忘れ形見でもあるスイープアワーズ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、勝ち上がりこそしたが成績にムラがある。4頭目のエレガントギフト(牝3歳、栗東・千田輝彦厩舎)は未勝利戦を勝ち切れず、1勝クラスへの格上挑戦でなんとか初勝利を挙げたいところだ。
クラシック戦線が終わり、来年4歳を迎える「最後のディープインパクト産駒」たち。ディープ産駒の古馬といえば、先日の天皇賞・秋(G1)でも好走したジャスティンパレス、プログノーシスが記憶に新しい。ラストクロップの4頭も同様に、願わくばオーギュストロダンに匹敵する活躍を期待したい。