【エリザベス女王杯(G1)予想】キャリア4戦のブレイディヴェーグは迷わず切り! 本線は近走実績の割に人気のない2頭で好配当を狙う

 今回は世代を超えた秋の女王決定戦、エリザベス女王杯(G1)を予想していく。

 まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。20年から昨年まで阪神2200mで開催されていたが、傾向に差がないのでまとめてみる。
府中牝馬S 12頭
秋華賞 6頭
オールカマー 4頭
札幌記念 3頭
宝塚記念、オークス、ヴィクトリアマイル、新潟記念 各1頭
条件特別(2勝クラス) 1頭
となっている。さすがに女王決定戦だけあって前走のレベルも高い。G3戦と条件戦が1頭ずつで残りはすべてG2以上。府中牝馬S(G2)からの転戦馬が圧倒的に多いが、ここでの凡走から巻き返している例が少なからずある。次いで秋華賞(G1)からの転戦だが、これも凡走から巻き返している例があるので、チェックが必要。条件馬の好走もあるが、当該馬は6番人気と穴人気している馬だったので、内容さえ良ければ検討の範疇だろう。

 続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 1-2-2-5
2番人気 1-0-1-8
3番人気 4-0-2-4
4~6番人気 3-3-3-21
7~9番人気 0-4-1-25
10番人気以下 1-2-0-82
となっている。上位人気が押し並べてアテにしづらい。特に2番人気は16年3着を最後に馬券圏内に入っていない。近5年に絞ると1番人気、3番人気がともに3頭ずつだが、3番人気は2勝している。数字の上では中穴優勢だが、近5年で見ると7番人気以下の人気薄の激走が目立つ。6頭が該当し、うち10番人気以下が2頭。さらに2年連続で10番人気以下が来ているので、人気薄でも要検討だろう。


 これを踏まえて「◎」は実績の割に人気がなさそうな2番ルージュエヴァイユとする。

 前走は府中牝馬S。内目の枠からスタートするが直後に不利があり、後方へ。淡々としたペースで流れていく中、少しずつポジションを上げていき、直線に入ると前で粘る逃げ馬を外から追いかける展開になり、ハナ差まで追いつめたが2着となった。

 この府中牝馬Sの予想では△を打って2着に入ったわけだが、2戦連続で重賞2着と好調ではあるものの、相変わらず重賞未勝利のままである。決め手不足かと言われると、前走も2位ながら上がり32.7秒の鬼脚で追い込んできている。

 陣営からは1週前追い切りまでに「前走からの疲労も回復し、調整は万全」との話。距離延長にやや不安はあるが「十分に走れる素地はある」と色気を見せている。確かにオークス(G1)では6着に敗れており、2400m戦となると厳しいのはわかるが、今回は2200m戦。2000mで好走しているように、もう1ハロンの延長は影響がないとみる。

 むしろ、前からでも後ろからでも競馬できる自在性と強力な末脚は、直線が長く平坦なこのコースで活きるのではないか。臨戦過程で圧倒的に多い府中牝馬Sで僅差の2着に入ったことも好材料。人気がないなら、むしろ積極的に押さえたい。

マリアエレーナ 撮影:Ruriko.I

「○」も人気薄だが14番マリアエレーナを挙げる。

 前走はオールカマー(G2)。好スタートから位置を下げて中団に控える競馬。緩いペースで流れていき、直線へ。前でタイトルホルダーが粘る中、6番手から上がり3位の脚で追い込んだが前を交わせず、4着に終わった。

 昨夏の小倉記念(G3)の圧勝劇は記憶に新しいが、今年は初戦の愛知杯(G3)3着以降もう一歩届かずの競馬が続いている。特に大阪杯(G1)からの近4走はいずれも掲示板を確保しているだけに、少々ツキに見放されている感はある。

 陣営は一線級の牡馬に混ざっても憶せず好走してきた。条件や相手を問わずしっかり走るのが長所と褒めた上で、今回は直線平坦コースの牝馬限定G1だけに、チャンスが巡ってきたと強気なコメント。

 確かに陣営の言う通り、牝馬限定重賞に関して言うなら3戦して3戦とも馬券圏内に好走している。2000mあたりが適距離のように感じるが、2200m戦でも勝ち鞍があるので1ハロン延びるのは特に問題ないだろう。この馬も前からでも後ろからでも競馬できる強みがあり、ここしばらくの「足りない」レースで人気を落としているが、だから押さえたい1頭である。

「▲」は今回人気を落としている13番サリエラを推す。

 前走は新潟記念(G3)。スタートで出遅れて後方からの競馬に。緩いペースで進んでいくままに直線に入ると、外目に出されてから馬群に割って入り伸びてきたが、位置取りも悪く7着に敗れた。

 この馬は有馬記念(G1)2着の全姉サラキアの下ということで出てくれば人気になり、それなりに好走してきたが、未だ重賞勝ちはなし。さらに休み明けの前走は初めて馬券圏内からも飛んでしまった。今回は叩き2戦目ということでいくらか上積みも期待したいところ。

 陣営は中間の調整も順調で、「終いに鋭い脚を見せるなどいい動きをしている」と評価。ダッシュがつかず「末脚を活かす競馬が多いのでペースが流れれば」と展開に期待しているコメントが出ている。

 確かに中団かそれより後ろでレースを進めることが多い馬であり、その代わりコンスタントに上がり33秒台の脚で捲る展開になりがちではあるが、逃げ切り勝ちや中団前目につけて、さらに直線で伸びるといったようなレースも過去にはしてきている。

 前走は「らしくない」競馬になったが、頑丈な馬ではないだけに調整面で何かあった可能性もある。今回は人気も落としており、終いが活きるレース傾向だけに押さえる価値はあると考えている。


「△」は人気の一角だが3番ハーパーと、思いのほか人気になっていない11番ライラックの2頭とする。

ハーパー 撮影:Ruriko.I

 ハーパーの前走は秋華賞で、内枠からスタートして3番手につけ、前を見る競馬に。スローペースで流れていき、ポジションが多少前後になりながら直線へ。前の馬は早々に脱落していったが、直線で残って粘っていたところをリバティアイランドと2着馬に交わされて3着に終わった。

 今年の牝馬三冠はひたすらリバティアイランドの強さだけを見ることになったが、その中にあって桜花賞(G1)4着、オークス2着、前走秋華賞3着と気を吐いたのがこの馬。実力は敢えて触れるまでもないだろう。

 陣営は前走の疲れもなく、使ったことで2走目の上積みがあるとコメント。外回りに替わることや距離が延びるのも有利、鞍上が川田将雅騎手に替わって特徴を掴んでくれているので、持ち味を引き出してくれると期待値込みの話が出ている。

 C.ルメール騎手が三冠レースで騎乗していたので印象が強いのだが、唯一の重賞勝ちは川田騎手がもたらしたもの。リバティアイランドで三冠を獲っただけに、牝馬の騎乗もより上手くこなすはず。人気にはなるが大崩れしない馬だけに押さえる必要はあろう。

ライラック 撮影:Ruriko.I

 ライラックの前走は府中牝馬Sで、スタートから中団前目につける積極策。淡々と流れていくまま直線に入ると、前残りしている中、上がり3位の脚で必死に馬群の中から追いかけたが、2着の馬に外から交わされ3着に終わった。

 昨年のこのレースの2着馬。同年の秋華賞馬、20年の三冠牝馬よりも先着している。この馬が買いにくいのは、ある日思い出したかのように突然好走するところ。前走にしても、目黒記念(G2)9着、宝塚記念(G1)17着からの休み明けで、人気薄になっていたところで激走している。

 前走の好走は陣営も意外だったようで、東京コースで互角に出ていい競馬ができたのは収穫としている。気配は申し分なく、京都外回りも合うとして楽しみがある、と色気たっぷりのコメントが出ている。

 正直なところ、好走より凡走が圧倒的に多く、好走が2度続いたことがないこの馬ではあるが、前走でも好タイムで3着に来ているだけに期待してもいいのではないか。アテにしづらいところがあるので押さえまでではあるが。


 人気しそうなところで1番のブレイディヴェーグと、昨年の覇者7番ジェラルディーナは切り。

 ローズS(G2)2着で権利を獲ったにもかかわらず、出走を見送ったのが引っかかる。結果はともかく秋華賞に出ていればここでも買い要素はあったのだが、さすがにキャリア4戦で歴戦の古馬を抑えて勝利するところまではないだろう。

 ジェラルディーナの実力は認めるところだが、今年に入って凡走続きで、前走は昨年と同じローテーションだったにもかかわらず6着といいところがなかった。鞍上がR.ムーア騎手に替わるのは好材料かも知れないが、馬が本調子でない気がしてならない。

 ということで、今回は2番、3番、11番、13番、14番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。人気馬はハーパーのみなので、仮にハーパーが来たとしても、残りの組み合わせで十分好配当が狙えるはずだ。

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