世界最強イクイノックスに続けるか?「超出世」レースの勝ち馬に注目集まるも…ゴンバデカーブースの評価が赤丸急上昇!
今年もまた来春のクラシック候補が誕生した。
18日の東京競馬場で行われた東京スポーツ杯2歳S(G2)を制したシュトラウス(牡2、美浦・武井亮厩舎)。芝1800mを舞台に争われる本レースは、世界最強馬となった2年前の覇者イクイノックスをはじめ、無敗の三冠馬に輝いたコントレイル、ダービー馬ワグネリアンなど、後のG1馬や重賞勝ち馬を多数輩出した超出世レースである。
10頭立てで行われた今年は、逃げたテリオスルルが軽快に飛ばし、1000m通過が59秒1と非常にタイトな流れ。道中で12秒台のラップが刻まれたのも3回しかなく、それ以外は11秒台が続いた底力を要求される展開だった。
「正直に言うと、特に前半はコントロールしづらいタイプの馬なのですが、このレースは2頭が速いペースで先導してくれたおかげで助かりました。能力の高い馬で、素晴らしい将来性があると思います」
レースを振り返ったJ.モレイラ騎手が能力に太鼓判を押したのも当然ながら、血統的に父モーリスも母ブルーメンブラットも現役時代にマイルG1を制した短距離馬で距離の不安は付きまとう。2000mくらいまでならギリギリこなせるかもしれないが、クラシック向きの血統かといわれたら難しいところ。今後の状況次第では、NHKマイル(G1)や安田記念(G1)が視野に入る可能性もありそうだ。
「世代最強候補」の評価が赤丸急上昇!
そんなシュトラウスの活躍により、相対的に評価が急上昇したのは、サウジアラビアロイヤルC(G3)で、本馬を3着に退けたゴンバデカーブース(牡2、美浦・堀宣行厩舎)だろう。
世代トップ級の評価を得ていたボンドガールが大本命に推されたレースで、最後の直線を最後方という絶望的な位置から突き抜けた逸材だ。2馬身差に完敗した2着のボンドガールが上がり3F34秒1、それよりクビ差遅れたシュトラウスが34秒3だったのに対し、ゴンバデカーブースのそれは33秒5と突出。ハイレベルと評されたメンバー相手に楽勝してみせたのだから価値がある。
「東京スポーツ杯2歳Sにも新馬戦を楽勝していたC.ルメール騎手のフォルラニーニや横山武史騎手のファーヴェントにショウナンラプンタなど、前評判の高かった馬が多数出走していました。結果的にG3で3着に敗れていたシュトラウスがG2の好メンバー相手に快勝した訳ですから、サウジアラビアRCを圧勝したゴンバデカーブースの強さが際立ちますね。
こちらは血統的に近親を見ると、距離延長も問題なさそうな雰囲気があります。キャリアはまだ2戦のため、今後どのような成長曲線を描くかは分かりませんが、今年の2歳世代でトップクラスといえる実力の持ち主でしょう。次走は朝日杯フューチュリティS(G1)やホープフルS(G1)が視野に入りそうですが、どちらに使って来るのかにも注目したいですね」(競馬記者)
サウジアラビアRCで手綱を取った松山弘平騎手が「あれだけ凄い脚を使ってくれて、強かった」「これから先も楽しみです」と絶賛し、ボンドガールの手塚貴久調教師も「後ろから行った馬に差されたわけですから、勝った馬が強かった」「外からあっという間に離されてしまいました」と認めた強さをシュトラウスが間接的に証明した格好。毎年のようにクラシック候補を輩出するレースの勝ち馬を一蹴したゴンバデカーブースの評価も赤丸急上昇といったところかもしれない。
また、元JRA騎手の安藤勝己氏も東京スポーツ杯2歳Sのレース後に自身のSNSで「ゴンバデカーブースは結構なもんかも」と再評価。現役時代に数多くのG1を勝利していた名手の言葉だけに期待してよさそうだ。