【ジャパンC】ドウデュース「武豊不在」よりも大きな課題? 友道康夫調教師「東京2400mはベスト」×福永祐一調教師「距離延長がプラスに働くとは思えない」

ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 期待された10月の天皇賞・秋(G1)で7着に敗れたことで、同世代のイクイノックスに大きく水を開けられたドウデュース(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)。

 天皇賞・秋では1、2番人気のライバル対決となったが、今回のジャパンC(G1)では引き続き主戦の武豊騎手不在も相まって、評価急落は避けられなさそうだ。

 そんな中、雪辱を期すドウデュースに大きな上積みがあるとすれば、舞台がかつてイクイノックスを破った東京・芝2400mに移ることだろう。友道調教師も「東京2400mはベストだと思います」と天皇賞・秋から400mの距離延長に小さくはない期待をかけている。

 ドウデュースの東京2400mといえば、何と言っても昨年の日本ダービー(G1)だ。武豊騎手を背に中団やや後方からレースを進めたドウデュースは、最後の直線で持ち前の末脚が爆発。最後はイクイノックスの猛追をクビ差退けて世代の頂点に立った。

 2着イクイノックスだけでなく、3着は後の菊花賞馬アスクビクターモア、4着も今年のドバイターフ(G1)で2着したダノンベルーガと破った相手を鑑みれば、陣営がこの舞台に期待するのも当然かもしれない。

 ただ、その一方で逆に2400mを不安視する声もあるようだ。

「武豊騎手不在」よりも大きな課題?

『netkeiba.com』の『NONFICTION FILE』に登場し「現在のドウデュースにとって、400mの距離延長がプラスに働くとは思えないのが正直なところ」と話すのは、今年2月に騎手を引退したばかりの福永祐一調教師だ。

 詳細はぜひ本インタビューをご覧いただきたいが、福永調教師曰く、2000mの天皇賞・秋で敗れたドウデュースに対して、2400mのジャパンCどころか1600mの「マイルCSに行くのかな」と思ったほどだという。かつて日本ダービーを勝ったドウデュースだが、現在の馬体との違いは「歴然」というから驚きだ。

 また、そんな福永調教師の見解に同調しているのが、同じく『netkeiba.com』の『パドック診断』に登場した細江純子さんだ。

 細江さんと言えば元JRA騎手で、福永調教師とは同期という間柄。現在はホースコラボレーターとして『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)などに出演し、そのパドック診断は全国の競馬ファンからも好評を得ている。

 そんな細江さんもドウデュースの現状に対して「胴の作りの感じからすると、本質的にはマイラーな印象もする」とコメント。じっくり末脚を溜めれば最後の直線で力を発揮できる可能性は「十二分に考えられる」と前向きなジャッジも下しているものの、2400mを手放しで歓迎というわけではなさそうだ。

「朝日杯フューチュリティS(G1)で後のマイル王セリフォスを破って優勝するなど、もともと日本ダービーを勝つ前から『マイルが良さそう』と言われていたドウデュースですが、古馬になって馬体が完成を迎えつつある中で、福永調教師や細江さんのようなジャッジをする方が増えている印象です。

ただ、個人的にはドウデュースの気性面が『マイルにシフトしつつあるのでは』と感じています。

というのも前走の天皇賞・秋は1600m通過が1:32.1と、先週のマイルCSの1:32.5よりも速いというハイペースだったんですが、敗因は『(ハミを)噛んで引っ掛かった』というもの。休み明けということもあったと思いますが、今のドウデュースにとっては気性的にも短い距離の方があっているのかもしれません」(競馬記者)

 記者曰く、カギを握るのは友道厩舎の「厩舎力」だという。JRA重賞・62勝を誇る名門・友道厩舎だが、日本ダービー3勝をはじめ、その多くが2000m以上の実績。逆に1400m以下の重賞勝利がないなど、管理馬の多くが中長距離で活躍していることでも有名だ。

 例えば、かつてコントレイルが本質的にマイラーと言われながらもクラシック三冠を無敗で駆け抜けたように、ドウデュースも厩舎の方針によって距離の克服は可能になるはずだ。

「折り合い、リラックスの面から言えば、今回の方がメリハリが利いている動きだったと思います」とは、友道調教師。今回のジャパンCは、ドウデュースの進路を占う上でも極めて重要な一戦になりそうだ。

GJ 編集部

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