天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
宝塚記念の歴史を振り返り、度々ピックアップされるのは「悲願」というキーワードだ。
同門のメジロマックイーンに敗れ続けたメジロライアン、さらには世紀末覇王テイエムオペラオーに苦杯を舐めさせられ続けたメイショウドトウ。それまで善戦マンに過ぎなかった彼らがライバルにリベンジを果たし、頂点に立ったのが宝塚記念だ。
だが、彼らは決してライバルが躓くのを、ただ最善を尽くしながら祈っていたわけではない。それは彼らの、そして両馬の主戦だった横山典弘騎手と安田康彦騎手の騎乗ぶりを見れば明らかだ。
この2頭に共通した戦術は「好位追走からの4角先頭」つまり自らリスクを背負って動き、レースを勝ちに行ったということである。ちなみに逃げたレースを除けば、この2頭が4コーナーを先頭で通過したのは、この宝塚記念だけしかない。
今のシュヴァルグランは血統的にはもちろん、実力的にも「G1級」の域に達している。それは福永騎手本人も認めており、ならばこそ本馬をG1馬にするのは主戦騎手の責任でもあるはずだ。
率直に述べて現在のキタサンブラックは「史上最強クラスの一頭」と述べても過言ではないだろう。そう簡単に勝てる相手でないことは、誰が見ても明らかだ。