【有馬記念】ソールオリエンス×川田将雅に「克服すべき」課題!? 超強力なコンビ誕生も、不安は「騎手」の距離適性?
イクイノックスが圧勝した天皇賞・秋(G1)で2着に入ったジャスティンパレス(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)。次走に予定している有馬記念(G1)には、引き続き横山武史騎手とのコンビで挑むことが分かった。
先日のジャパンC(G1)でも圧倒的な強さを見せつけた世界最強馬イクイノックスだが、大きな注目を集めた去就について、現役を引退して種牡馬入りすることが発表されたばかり。
対抗格として評価された3歳の三冠牝馬リバティアイランドがジャパンCで4馬身の差をつけられたことを考えると、天皇賞・秋のジャスティンパレスは2馬身半差。勝ち馬がまだまだ余裕の手応えだっただけに、この着差を鵜呑みには出来ないものの、相対的に後者の評価も上がりそうだ。
前走が初コンビとなった横山武騎手との相性も良さそうであり、本番でも上位人気に支持される可能性が高いだろう。
これに対し、元パートナーの騎乗馬が確定したため、新たに「鞍上問題」が発生したのは、菊花賞(G1)で3着に敗れたソールオリエンス(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)である。
本馬は2戦目から横山武騎手がコンビを続けて、無敗で皐月賞(G1)を制した3歳世代トップクラスの1頭。皐月賞後に公開されたジョッキーカメラの映像でも、興奮冷めやらぬ横山武騎手が、大絶賛する声が聞かれたほど評価の高い実力馬だった。思い入れの強い相手だけに、自分の意思でそう簡単に手放すとは考えにくいのだが、両者の間に何があったのだろうか。
「少し前にも噂されたように、有馬記念のソールオリエンスには川田将雅騎手が騎乗することが決まりました。主戦を任されていた横山武騎手は、天皇賞・秋(G1)で2着したジャスティンパレスに騎乗します」(競馬誌ライター)
超強力コンビ誕生も不安は「騎手」の距離適性?
昨年のリーディングジョッキーである川田騎手なら鞍上強化にも思えるが、一部のファンから心配されているのは、どうやらソールオリエンスではなく川田騎手自身の“距離不安”ということらしい。
これまで2400mの重賞なら【11.6.7.51/75】の勝率14.7%と非常に頼もしい川田騎手だが、その一方で2500mは【1.2.3.18/24】と勝率4.2%に低下する。ちなみに2500m以上の場合も【2.5.7.54/68】の勝率2.9%と、距離が延びるにつれて信頼度が低下しているからだ。
また、有馬記念に限定してみても、2008年に14番人気アドマイヤモナークで2着に食い込んだケースはあるが、馬券圏内の好走はこのときのみ。それ以外は14年エピファネイア(2番人気5着)、15年ラブリーデイ(2番人気5着)、18年キセキ(2番人気5着)を含めて10連敗中と年末のグランプリとは縁がない状況が続いている。
2400mからわずか100mの違いだけに理由は分からないが、データ上では「たかが100m、されど100m」ということなのかもしれない。
そんな川田騎手にとっては、ソールオリエンスと有馬記念に向かうことは“不名誉なイメージ”を払拭する絶好のチャンスとなりそうだ。昔から「長距離は騎手」という格言がある。今や日本人No.1ジョッキーとなった川田騎手の反撃に期待したい。