「穴太郎」こと野中悠太郎が1300万馬券の大仕事! 単勝117.5倍の快勝劇は中山歴代4位の大波乱
2日、中山競馬場で行われた7R・3歳以上1勝クラスは、15番人気のニーナブランド(牝3歳、美浦・高橋裕厩舎)が勝利。2着に8番人気カサブランカキッド、3着に10番人気セッカチケーンが入線し、三連単は1353万390円の大波乱となった。
16頭立て、ダート1200mのレース。昨年11月以来、約1年ぶりのレースとなったニーナブランドは+26キロと大きく馬体を増やしての出走。昨夏のデビュー戦こそ快勝したが、その後は惨敗が続いていたこともあって単勝117.5倍のブービー人気に甘んじていた。
しかし、そんな時に頼りになるのが、穴党の競馬ファンから熱烈な支持を集めている「穴太郎」こと野中悠太郎騎手だ。久々のレースながら「スタートを上手く出てくれた」と抜群の発馬を決めると、砂を被らない好位をキープ。最後の直線入り口で先頭集団を捉えると「抜け出してからも、しっかりと走ってくれた」との言葉通り、後続を完封した。
終わってみれば三連単1353万390円は、中山競馬史上4位という超高配当。改めて穴男ぶりを見せつける結果となった。
「正直、驚きました。陣営は『見た目は太くないし、1年ぶりでも息はできている』と話していましたが、約1年ぶりのレースの上に+26キロ。休養前は惨敗が続いていましたし、単勝117.5倍は仕方ない評価だったと思います。
勝因はスタートですね。発馬が決まったことも然ることながら、ニーナブランドはもともと芝1000mの新馬戦を逃げ切った馬。中山ダート1200m特有の芝スタートは、この馬にとってはアドバンテージになったと思います。
ただ、やはり特筆すべきはジョッキーですね。ニーナブランドにとって初ダートになった2走前のエーデルワイス賞(G3)では、1枠1番から先手を取られて終始砂を浴びる厳しい展開。今回は幸い外目の枠からのスタートでしたが、上手く砂を被らないように運んだ野中騎手のファインプレーだと思います。この走りができるならダートはもちろん、再度芝で見てみたい気もしますね」(競馬記者)
また、この勝利で勢いに乗った野中騎手は、10番人気のリトスに騎乗した最終12Rでも2着に好走。JRA通算100勝目は逃したものの、スタートを決めて積極的にハナを奪うと勝ち馬とクビ差の接戦に持ち込み、三連単11万馬券の立役者になっている。
これには競馬ファンからもSNSや掲示板で「野中騎手の本領発揮か」「ありがとう、一生ついて行きます!」「これが俺達の穴太郎だ!」「また1つ穴太郎伝説が生まれたな」など、野中騎手の活躍ぶりを絶賛する声が続々……。レース直後には「ニーナブランド」がSNSでトレンド入りするなど、大きな反響があった。
ちなみに、この日に野中騎手が穴を開けたニーナブランドとリトスは、ともに高橋裕厩舎の所属で、ディアレストクラブの持ち馬だった。関係者にも大きなアピールになったはずだ。
この日の勝利で今年7勝目と苦戦が続く野中騎手だが、相変わらず二ケタ人気の大穴で上位に食い込むことがしばしば……。穴党でなくとも、追いかける価値のあるジョッキーだ。