有馬記念を待たずにイクイノックスでほぼ決まり?年度代表馬は内定ムードも…ダート路線で難解極まるJRA賞の行方

イクイノックス 撮影:Ruriko.I

 12月に入り、そろそろ今年の終わりが近づく時期ではあるが、その年に最も活躍した馬を選出する年度代表馬に関しては、イクイノックスでほぼ内定ムードが濃厚だ。

 天皇賞・秋(G1)と有馬記念(G1)を連勝し、昨年の年度代表馬に選ばれた本馬は、今年も連戦連勝の快進撃を続けた。

 3月のドバイシーマクラシック(G1)を圧勝してレーティング世界1位を獲得すると、6月の宝塚記念(G1)も優勝してグランプリを連勝。秋に復帰した天皇賞・秋では、芝2000mを1分55秒2というスーパーレコードをマーク。続くジャパンC(G1)でも3歳の三冠牝馬リバティアイランドの挑戦をあっさり退けて楽勝してしまった。

 総獲得賞金で、アーモンドアイの記録を塗り替えて歴代1位。G1レースの出走機会6連勝も1984年にグレード制が導入されてから、テイエムオペラオー、ロードカナロアに並ぶ最長連勝タイとなった。

 例年であれば、最終的な選考基準に1年の総決算といえる有馬記念の結果が大きな影響を及ぼすのだが、今年はさすがにイクイノックスのインパクトを超えられそうな存在はいないだろう。

ダート路線で難解極まるJRA賞の行方

レモンポップ

 これに対し、ダート路線の場合は非常に難解極まるメンバーが揃った。国内での実績であれば、先日のチャンピオンズC(G1)を快勝したレモンポップが最有力候補か。同年のフェブラリーS(G1)も制しており、これは2017年のゴールドドリーム以来、6年ぶりの快挙となっている。

 その一方、世界最高峰といえるサウジC(G1)を制したパンサラッサ、ドバイワールドC(G1)を制したウシュバテソーロも世界を相手に歓喜をもたらしたヒーローたちである。

 日本では芝のレースが人気ではあるものの、近年はダートのレースでも世界に通用するシーンが増えてきた。同年のサウジCとドバイワールドCを日本馬が連勝した快挙に衝撃を受けたファンは少なくなかったはずだ。

 国内G1を2勝して1着1億2000万円の賞金を2回獲得したレモンポップの2億4000万円と比較しても、埋めようがない差額がある。約13億円6000万円のサウジCと約9億480万円のドバイワールドCをどう評価するかも判断の難しいところだ。

 ひとつ参考になるとしたら、ドバイワールドCを初めて日本馬で優勝したヴィクトワールピサのいた2011年かもしれない。

 この年の最優秀ダート馬トランセンドは、レモンポップと同じくフェブラリーSとジャパンカップダート(G1・チャンピオンズCの前身)、南部杯(G1)を優勝。同年のG1を3勝していることからも、ほぼ似たような状況。このままいけば、おそらく最優秀ダート馬はレモンポップで濃厚でも、パンサラッサやウシュバテソーロについては、特別賞のような別の形で評価をされそうだ。

 いずれにしても、一昔前なら信じられないような快進撃を見せたダート路線。ヤマニンウルスや南関三冠を達成した地方馬ミックファイアら、無敗の怪物として期待されている大物もいる。

 来年の海外遠征も視野に入るレモンポップと同じく、将来が楽しみな馬が揃った。

GJ 編集部

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