レモンポップ、ウィルソンテソーロで「12戦11勝」の好成績、すれ違いで「コンビ解消」も…大貢献の戸崎圭太を称賛する声

レモンポップ 撮影:Ruriko.I

 先週日曜のチャンピオンズC(G1)は、ハナを奪ったレモンポップ(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)が2着ウィルソンテソーロに1馬身1/4差で優勝。レース前は初の1800m、大外枠が不安視されたが、終わってみればまったくの杞憂だった。

 同馬はフェブラリーS、南部杯に続き、今年G1・3勝目。来年も現役を続行することが関係者からすでに発表されている。主戦の坂井瑠星騎手とともに、今後もダート路線を引っ張っていく存在となるだろう。

 また2着には、道中後方で脚を溜めていた12番人気の大穴ウィルソンテソーロ(牡4歳、美浦・小手川準厩舎)が、上がり最速となる36秒6の末脚で突っ込んだ。

 前走のJBCクラシック(G1)は5着に敗れた同馬だが、ダート戦ではここまで重賞3勝を含む9戦7勝とまだ底を見せていなかった。結果論にはなってしまうが、単勝92.0倍はさすがに軽視されすぎだったかもしれない。

 超人気薄の激走について、元JRA騎手の安藤勝己氏が「原が冷静に脚をタメた」とSNSで評価した通り、ウィルソンテソーロと初コンビを組んだ23歳の若武者・原優介騎手の手綱さばきも見事だった。何はともあれ、今年のチャンピオンズCは迫力満点のゴール前だった。

「コンビ解消」も…大貢献の戸崎圭太を称賛する声

戸崎圭太騎手 撮影:Ruriko.I

 この結果を受けて、間接的に称賛を受けることとなったのが戸崎圭太騎手だ。

 チャンピオンズCに騎乗馬はおらず、当日は裏開催となった中山で騎乗していた戸崎騎手。ただ同騎手がチャンピオンズCの勝ち馬レモンポップの元主戦だったことは、多くのファンが知るところだ。

 同馬には8回騎乗して7勝を挙げ、今年1月の根岸S(G3)を制している。戸崎騎手は今年のフェブラリーSにもう1頭のお手馬ドライスタウトとともに参戦したため、レモンポップの手綱は坂井騎手に譲ることとなったが、乗り替わりとなるまでの成績を見ても分かる通り、ほぼパーフェクトに乗りこなしていた。

 またレモンポップだけでなく、ウィルソンテソーロも戸崎騎手の元お手馬である。

 同馬と戸崎騎手はデビュー2戦目からタッグ。最初の2戦こそ芝のレースで敗れたが、初ダートとなった未勝利戦を大差で圧勝。そこから一気の4連勝で、ウィルソンテソーロをオープン馬まで導いている。

 ダートでレモンポップとウィルソンテソーロに騎乗した際、戸崎騎手は2頭合わせて「12戦11勝」という凄まじい好成績を残していた。つまり戸崎騎手はダートの全レースで賞金加算を成功させるなど、2頭の出世に大いに貢献していたのである。

 そのためチャンピオンズCの後、SNSやネット掲示板には「戸崎騎手の存在抜きで、2頭のワンツーはなかったかもしれんな」「ここまで出世したのは戸崎騎手のおかげ」「レモンポップとウィルソンテソーロは戸崎が育てた」など、元主戦を称賛する声が上がっていた。

「ダートに転向後はウィルソンテソーロをほぼ完璧に乗りこなしていた戸崎騎手でしたが、他のお手馬との兼ね合いや、同馬が小手川厩舎に転厩したこともあり、コンビ続投とはならなかったようですね。

ちなみにウィルソンテソーロを以前管理していたのが、奇しくもレモンポップを手掛ける田中博厩舎です。そういった意味で今年のチャンピオンズCは、戸崎騎手と田中博厩舎に縁のある2頭のワンツーフィニッシュという結果にもなりました」(競馬誌ライター)

 ちなみに先述の通り、元お手馬がG1でワンツーを決めた裏の中山で、戸崎騎手は準メインとメインを連勝。1日3勝を挙げる大活躍を見せた。

 その後のレモンポップとウィルソンテソーロの活躍を見ると、ちょっとしたすれ違いのような形でコンビ解消となったものの、この路線は他にもドライスタウトやオメガギネスなど、前途有望なお手馬が揃っている。来年はこれらの馬とともにビッグレースを制し、戸崎騎手が直接称賛を受けることに期待したい。

GJ 編集部

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