川田将雅、福永祐一も認める「大器晩成」、4連勝中ディープインパクト産駒がついに復帰!「G1挑戦」の妹に繋げたいバトン
10日に開催される阪神ジュベナイルF(G1)。有力馬の1頭として注目されているのがハーツクライ産駒のサフィラだ。同馬の魅力の一つが血統面である。全兄が2019年の朝日杯フューチュリティS(G1)を圧勝したサリオス。また半姉には有馬記念(G1)などG1で2着が2回あるサラキアなどもいる現役屈指の良血馬といえる。
アルテミスS(G3)2着から本番に臨むローテーションは、昨年の覇者リバティアイランドとイメージが重なる。『netkeiba.com』で公開されている単勝予想オッズは、6日時点で3番人気に推されており、兄妹で2歳G1ホースとなる期待が大いに持てるだろう。
そんな2歳女王候補のサフィラだが、本馬の3歳上の兄であるエスコーラ(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)の戦列復帰も注目したい。
「G1挑戦」の妹に繋げたいバトン
出走を予定しているのは、阪神JFと同じく芝1600m戦を舞台に争われるリゲルS(L)。妹の晴れ舞台の前日に行われるだけに、勝利という最高の結果を残してバトンを渡したいところだ。
一昨年1月のデビュー戦こそ4着に敗れたエスコーラだが、約5ヶ月の休養を経て臨んだ小倉・芝1800mの未勝利戦では、後続に1秒8差をつけて大差勝ち。勝ちタイムの1分43秒8は、当時の日本レコード。まさに夏の小倉に衝撃が走った瞬間であった。
そこからノンストップの4連勝で昨夏オープン入り。間隔を空けながらの出走ではあったが、その勝ちっぷりや血統背景からも、重賞戦線やビッグレースでの活躍も期待されていた。
しかし、昨年は8月の不知火S(3勝クラス)の1走のみで終了。レースの後、放牧に出されると、その後はほとんど音沙汰がなく、気がつけば休養は1年4ヶ月もの長期間に及んだ。
ここまでキャリアはわずか5戦ながらも、もうすぐ6歳であり、競走馬とすればやや晩年の域に入る。そのため今回は復帰を歓迎する声と同時に「あと1ヶ月もせずに6歳なんだが」「休んでいる間に能力が衰えてないだろうか」「高齢のディープインパクト産駒はあまり走るイメージがないからなぁ」といった能力面を危惧する声も一部ファンから聞こえている。
「確かにエスコーラの休養期間は想像よりも長いものとなりましたが、全姉のサラキアは5歳秋の府中牝馬S(G2)で初重賞勝利を飾ると、続くエリザベス女王杯(G1)でも2着。ラストランとなった5歳暮れの有馬記念ではキャリアで最も強かったといっても過言ではない走りで、クロノジェネシスとタイム差なしの2着に健闘しました。
また半兄のサリオスも一時はスランプ気味でしたが、5歳秋に毎日王冠(G2)を勝利。やや奥手の血統でもあり、2頭の弟エスコーラはまだまだキャリアも浅いだけに、これから本領を発揮したとしても不思議ではありません」(競馬誌ライター)
確かに3戦目の1勝クラスを勝った際、騎乗した川田将雅騎手は「良くなるにはまだ時間がかかる」とエスコーラを長い目で見ており、前走で跨った福永祐一元騎手(現調教師)も「まだ動き切れなくて体重もありますが、まだ成長過程だと思います」と、本格化はかなり先であることを話していた。
一部のファンからは「ディープインパクト産駒最後の大物候補」との声も聞かれるエスコーラ。遅れてきた大器の快進撃に期待したい。