【有馬記念】ラストランのタイトルホルダーに追い風? 過去2敗でも今年は運も味方してくれるか
この秋はオールカマー(G2)とジャパンC(G1)に出走したタイトルホルダー(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)。勝利こそ飾れなかったものの、アクシデントからの休養明けだったことを思えば、力を示した善戦だった。また陣営の発表によると、次走の有馬記念(G1)がラストランになるようだ。
生産牧場の岡田スタッド・岡田牧雄代表は、今年の夏から同馬のローテーションと年内引退を示唆していたため、今のところ予定通りか。亡き父ドゥラメンテの後継種牡馬としても期待されるため、無事に現役を終えられれば何よりだ。
有終の美を飾りたい有馬記念は、絶対王者イクイノックスが不在でも豪華メンバーが揃う見込み。中でも実績的にG1・3勝のタイトルホルダーは、勝ち負けを期待される有力候補の1頭だろう。
ただ、気になるとすれば2年前は4番人気で5着、昨年は2番人気で9着と少々物足りない結果だったことである。
G1・3勝はいずれも阪神競馬場だが、有馬記念と同じ中山・芝2500mの日経賞(G2)では2連覇を達成。同じく中山の弥生賞(G2)、皐月賞(G1)、オールカマーでも連対している。中山競馬場の適性も十分に見せているだけに陣営も今度こそといったところ。
過去2回は縁がなかった有馬記念だが、過去2戦の敗因を振り返ると「三度目の正直」に期待できるかもしれない。
有馬記念(G1)過去2敗でも見限れない
まず敗因に挙がるのは、枠順に恵まれなかったこと。2年前は8枠16番と、過去10年では馬券内すらない大外枠に入ってしまった。昨年も7枠13番と決して恵まれた枠ではない。外枠から勝利した実績もある馬だが、持ち前の逃げを生かすなら、やはり内枠がベストだろう。
また、2年前は生粋の逃げ馬パンサラッサとの初対戦で、自分のペースで走れなかった影響もあるか。当時初騎乗だった横山和生騎手は「リズム良くいい競馬ができて、一瞬夢を見ました」と振り返ったが、その前走の菊花賞(G1)では逃げ切り勝ちを収めただけに、レース運びは難しかっただろう。
昨年の有馬記念では自分のペースで逃げられたが、道悪を激走した凱旋門賞(G1)の後で見えない疲れが残っていた可能性も高い。
そんな昨年に比べると、今秋は国内で順調にレースを使うことができた。出走予定馬を見ても、今回はマイペースで逃げられる可能性は高い。
気になる枠順だが、今年のタイトルホルダーには運も味方している。日経賞から始動した今年4戦では、実はすべて2枠2番・3番の内枠を引いていたのだ。もちろん先述の通り、どの枠でも結果を出してきた強い馬だが、今年は枠順も味方してくれている状況。今の流れなら再び内枠を引ける期待も持てるのではないか。
有馬記念の枠順抽選は21日の17時より、BSフジでも生中継される。好枠を引ければベストだが、どの枠でもタイトルホルダーが無事完走し、最後のタイトルを掴むことに期待したい。