G1馬の「引退ラッシュ」も…種牡馬シュネルマイスターに大きな期待が持てるワケ

イクイノックス 撮影:Ruriko.I

 2023年の中央競馬の開催も残るは5日間となった。秋のG1シーズンも年末の大一番である有馬記念(G1)や、2歳チャンプ決定戦である朝日杯フューチュリティS(G1)、ホープフルS(G1)を残していよいよ終盤戦を迎える。

 また、今年の有馬記念には、G1馬8頭が出走を予定しており、かなり豪華なメンバーが集まりそうだ。出走予定馬の中には、これが引退レースとなるウインマリリンやタイトルホルダーも含まれている。

 そんな今年の有馬記念だが、イクイノックスの走りをまだまだ見たかったというファンも多くいただろう。

 ジャパンC(G1)が結果的に引退レースとなってしまったが、ムチを使わず4馬身差の楽勝だったこともあり、ネットの掲示板やSNSなどでは「有馬記念も出てきそう」と期待する声も上がっていた。

 ただ、イクイノックスをはじめとして、今年の秋は実績馬の引退が続いた。2年前の有馬記念を制したG1・3勝馬エフフォーリアが2月に引退を表明した。秋にも妹ママコチャがスプリンターズS(G1)を制した直後に、世界初の白毛G1馬となった姉ソダシが、電撃引退を表明。他にも稀代の逃げ馬パンサラッサや、春の東京マイルG1を連勝したソングラインなど、多くのG1馬がターフを去った。

 その一方でG1馬が引退となれば、当然ながら種牡馬や繁殖牝馬としての活躍も期待が大きい。

シュネルマイスター 撮影:Ruriko.I

 中でもソングラインとライバル関係にあったシュネルマイスターは、注目しておきたい1頭だ。

種牡馬シュネルマイスターに大きな期待が持てるワケ

 本馬の父は、ジャックルマロワ賞(G1)などを制覇した英国のKingman、母親にドイツオークス(G1)を制したセリエンホルデを持つ超良血馬。ドイツ生まれで、1600mを中心に馬名の由来である「スピードの名人」の名に恥じない活躍を遂げた。

 そしてシュネルマイスターが種牡馬として期待できる点は、ズバリ「サンデーサイレンスとキングマンボの血が父母のどちらにも内包されていない血統」にあるだろう。

 現在の日本競馬界を代表する血統だが、これらを内包していない点は、繁殖牝馬の幅が広がり、さらには血統の幅が広がることが期待される。

 実際、種牡馬としての期待は数字にも表れている。シュネルマイスターの初年度種付け料は350万円だが、G1・3勝のエフフォーリアの初年度や海外G1・2勝のパンサラッサが300万円であることを考えれば、G1・1勝の当馬としては高い評価と言える。

 それでも現在満口となっていることから、関係者から大きな期待を寄せられているともいえる。

 その他にも、父親が1600mを中心に走っていた一方で、母親は中距離で実績を残したことからも、血統構成次第で距離適性に融通が利きそうな点や、3歳時から5歳暮れまでマイル戦線で堅実な走りを続けた成長力も、人気の理由かもしれない。

 近い将来、シュネルマイスターの産駒が、日本の競馬界に旋風を巻き起こしてくれることを楽しみに待ちたい。

GJ 編集部

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