【朝日杯FS】有力馬「降板」の若武者に訪れた幸運? 関東の名門と新馬戦初タッグ、「3.5億円ホース兄」の実力やいかに
刻一刻とスタートの時が迫っている、17日の朝日杯フューチュリティS(G1)。有力馬の乗り替わりが複数発生していることも話題となっているが、中でも一部のファンから同情の声も出ていたのが、ジャンタルマンタルと鮫島克駿騎手のコンビ解消だ。
人馬は初戦からコンビを組んで2戦2勝。前走のデイリー杯2歳S(G2)では最後の直線、狭いインをこじ開けて抜け出す人馬一体の走りで勝利。レース後の鮫島駿騎手は「この馬と必ず大きいところを獲る気持ち」「この馬に合わせて自分もしっかり成長したい」と、同馬とのコンビ継続を見据えたコメントを残していた。
しかしその後、ジャンタルマンタルは川田将雅騎手との新コンビで朝日杯FSに臨むことが、陣営から発表された。同騎手は、昨年の騎手大賞を獲得したトップジョッキーであり、鞍上強化を図った陣営の意図も伝わる。ただ、鮫島駿騎手の好騎乗も無関係ではなかったジャンタルマンタルの連勝だけに、これといったミスのなかった鞍上の乗り替わりについては、少々シビアな決断に映ったかもしれない。
ちなみに27歳の鮫島駿騎手は、先週終了時点で関西リーディング6位につけるなど成長著しい若武者だが、G1レースを勝利した経験はない。有力候補の一角であるジャンタルマンタルとなら、初勝利のチャンスと思われたが、その可能性も霧散することとなった。
そんな無念の乗り替わりとなってしまった鮫島駿騎手だが、今週はまた新たな2歳の有力馬に騎乗予定だ。それが16日、中山・芝2000mの新馬戦でデビューを予定しているミッキーラッキー(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)である。
鮫島克駿騎手がまた新たな2歳有力馬とタッグ
同馬は一昨年のセレクトセールにおいて、税込み8140万円で取引されたドゥラメンテ産駒。母シャンパンエニワンは現役時代、米国でG2を制し、2019年のケンタッキーオークス(G1)でも4着に入った実力馬だ。
ドゥラメンテ産駒らしく、追い切りでは弾力のあるフットワークで軽やかな走りを披露。いかにも芝の中距離あたりで走ってきそうなタイプである。
「ミッキーラッキーは追い切りでも美浦ウッドでラスト1ハロン11秒台をマークするなど、仕上がりも良さそう。初戦から好勝負が期待できる好素材と、記者の間でも話題になっている1頭ですよ。
また1歳下には、全弟となるシャンパンエニワンの2022がいるのですが、この馬が昨年のセレクトセールで3億5200万円(税込み)という超高値で落札されたことでも話題となりました。超高額の弟に先駆けてデビューを果たす兄ミッキーラッキーだけに、大きな注目が集まりそうです」(競馬誌ライター)
ちなみに、鮫島駿騎手がミッキーラッキーを管理する堀厩舎と新馬戦でタッグを組むのは、今回が初めて。両者は昨年までコンビがわずか1回しかなかったのだが、今年はここまで12回も騎乗するなど一気に騎乗数が増加している。
堀厩舎といえば今年のダービー馬タスティエーラを手掛け、過去にもドゥラメンテやモーリスなど数多の名馬を送り出してきた名門だ。ジャンタルマンタルの降板は残念だった鮫島駿騎手にとって、ミッキーラッキーとの出会いが“幸運”となることに期待したい。