グランアレグリア以来となる「圏内確保」に絶賛の嵐! 元JRA安藤勝己氏も評価した「紅一点」が来春の有力候補に名乗り
17日に開催された2歳マイル王決定戦・朝日杯フューチュリティS(G1)は、1番人気ジャンタルマンタルが優勝。新馬、デイリー杯2歳S(G2)を連勝中だった同馬の勢いは伊達ではなかった。
2着には、最後の直線で大外から追い込んできた武豊騎手のエコロヴァルツが入った。こちらもデビュー戦と2戦目のコスモス賞(OP)を共に楽勝していた実力を示した格好である。
そんな中、1着からわずか0秒2後れを取ったものの、3着に好走したのが紅一点のタガノエルピーダ(牝2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
10月に行われた前走の新馬戦を、好位から抜け出して快勝していた同馬。先週開催された阪神ジュベナイルF(G1)にエントリーしていたものの、除外されたことにより、1週スライドして果敢にも牡馬相手のG1に挑戦することとなった。
ただ17頭立てで争われた今回の朝日杯FSで、牝馬の出走は先述の通りタガノエルピーダ1頭のみ。さらにキャリア1戦での参戦も本馬だけという、厳しい状況であったことは間違いない。
だが、レースでは前から3、4番手を追走する積極策。最後の直線では一旦、後続に飲み込まれそうになるも、そこからもうひと踏ん張りを見せ、勝利には届かなかったものの3着を確保してみせた。
「今年の朝日杯FSはシュトラウスがやや強引にハナを奪ったこともあり、前半1000m通過が58秒4と速い流れ。実際に勝ったジャンタルマンタルは中団待機、2着エコロヴァルツは4コーナーで最後方という位置取りでした。
そんな差し追い込み決着となった中、タガノエルピーダは前から3番手で最後の直線に入ると、失速することなくゴールまで粘り通したのですから、相当立派な走りだったと思いますよ」(競馬誌ライター)
グランアレグリア以来となる快挙
なお朝日杯FSは1991年から2003年まで牝馬の出走は不可だったが、開放された2004年以降、牝馬で3着以内に健闘したのはグランアレグリア以来2頭目。ちなみに同馬といえば、後にG1・6勝を挙げた近年最強マイラー候補の1頭だ。
そのグランアレグリアも、朝日杯FSにはキャリア2戦で出走していた。タガノエルピーダはそれを下回るわずか1戦で馬券圏内に入ったのだから、称賛されて然るべきだろう。
レース後にはSNSやネット掲示板にも「紅一点、それもキャリア1戦で牡馬相手のG1・3着は凄い」「先週の阪神JFに出ていても勝ち負けだったかも」「グランアレグリアに負けないような馬に出世してほしい」など、タガノエルピーダの健闘を称える声が多く寄せられていた。
さらには元JRAの安藤勝己氏も自身のXで「パドックから舞い上がって、4角で体力が尽きたかに見えた。あそこから踏ん張っての③着は立派で、牝馬同士の戦いが楽しみ」と、タガノエルピーダの走りと将来性を高く評価していた。
レース後、タガノエルピーダに騎乗していた団野大成騎手も「馬は精一杯頑張ってくれた。2走目だったが内容も良かった」とパートナーを褒め称えた。管理する斉藤師は来春に向けて「トライアルかどこかで賞金を加算したい」と、先を見据えるコメントを残している。
ちなみにグランアレグリアは、朝日杯FS3着の後、桜花賞(G1)を優勝している。タガノエルピーダも牝馬クラシック第一弾に駒を進めてくれば、楽しみな存在になることは間違いない。