【有馬記念】C.ルメール×スターズオンアース「史上初」連対確保に絶賛の声! 過去に好走例は皆無も…7番人気の低評価が「おいしすぎた」ワケ
24日に行われたグランプリ・有馬記念(G1)は、後方からレースを進めたドウデュースと武豊騎手のコンビが直線で差し切って優勝。昨年の日本ダービー(G1)以来となる、3つ目のG1タイトルを手中にした。
右太もも筋挫傷の復帰から初の白星にもなった武豊騎手はレース後、「ドウデュースも私も帰ってきました!」と高らかに宣言。クリスマスイブに開催のグランプリはこれで3勝目となり、「メリークリスマス!」とインタビューを締めるなど、その千両役者ぶりを遺憾なく発揮した。
そんな中、惜しくも勝ち馬には半馬身差で及ばなかったものの、大外16番枠を克服して2着に入ったのがスターズオンアース(牝4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)とC.ルメール騎手のコンビだ。
先月開催されたジャパンC(G1)の最先着馬ということもあり、最有力候補に目された同馬だったが、21日に行われた公開枠順抽選会で陣営はまさかの大外枠を引き当ててしまう。これにはルメール騎手も「心臓が痛いです」と、悲痛とも言えるコメントを残すしかなかった。
現在全国リーディングトップをひた走るこのフランス人ジョッキーでさえ、思わず弱気になったのも無理はない。なぜなら過去67回行われた有馬記念で、16番枠から発走した馬は延べ25頭いたものの、3着以内に入った馬さえ1頭もいない。まさに「鬼門」と呼ぶに相応しい死に枠だったからである。
そのこともあってかスターズオンアースは7番人気という、意外な低評価でレースを迎えた。
だが、ルメール騎手とスターズオンアースのコンビは16番枠から抜群のスタートを決めると、逃げたタイトルホルダーのすぐ後ろとなる2番手をキープ。1周目ホームストレッチからは終始インの経済コースを通り、大外発走のロスを最小限にとどめた。最後の直線は一瞬夢を見るようなシーンもあったが、ゴール前ではドウデュースにわずかに0秒1後れを取っている。
それでもレース後、SNSやネット掲示板には大外16番枠から有馬記念史上初となる連対を確保した人馬に「ルメールうますぎる」「見事に大外枠の不利をカバーしたな」「リーディングジョッキーの手綱さばき痺れました」「やっぱりスターズオンアースも強い」など、絶賛の声が数多く集まったことは言うまでもない。
7番人気の低評価が「おいしすぎた」ワケ
「ルメール騎手の手綱さばきはもちろん、それに応えたスターズオンアースの走りっぷりもさすがでしたね。元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のXで『スターズオンアースの堅実ぶりも立派』『内枠なら本気で分からんかった』と褒め称えていました。
ただ、16番枠で敬遠され気味だった同コンビですが、案外ルメール騎手にとってはそこまで悪くない要素だったかもしれませんよ。というのも同騎手は芝のG1レースで大外枠に入った際、ラッキーライラックとともに優勝した2020年のエリザベス女王杯(G1)からここまで3勝を含む7戦連続連対中だったんですよ。
今回も2着に来たことで、これで3年以上にわたり8戦連続で2着以内をキープ。スターズオンアースは大外が嫌われてか、前走のジャパンCで負かしていたタイトルホルダーや、ルメール騎手のもう1頭のお手馬スルーセブンシーズよりも低評価の7番人気でしたが、同騎手が大外枠と好相性であることを知っていたファンからすれば、かなりおいしい配当になったんじゃないですかね」(競馬誌ライター)
「16番枠からでも楽に2番手を取れて、良いポジションが取れました。そのあとはマイペースに行けました」
2着という結果だけは残念だったものの、レース後、そうさらりと言ってのけたルメール騎手。もはやこのJRA最強ジョッキーの場合、どの枠順、どの騎乗馬を選ぼうとも、決して軽視してはいけないと改めて思い知らされた有馬記念でもあった。