【京都金杯(G3)展望】4年ぶり京都で「7戦6勝」ダノンティンパニーVS「5億円ホース」ドーブネ!

ダノンティンパニー 撮影:Ruriko.I

久々に京都に戻ってきた京都金杯

 2024年最初のJRA重賞は、第62回京都金杯(G3)。過去3年は京都競馬場の整備工事に伴い中京競馬場で開催されていたが、4年ぶりの淀に舞台が戻ってきた。

 今年はフルゲート18頭に対し、なんと30頭が登録。このうち7頭が中山金杯(G3)など他のレースとダブル、トリプル登録となっている。

 登録馬が発表された時点で除外対象ではあるが、もし出走枠に滑り込むことができれば断然の人気を集めそうなのがダノンティンパニー(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。

 2018年当歳セレクトセールで、1億6200万円(税込)で落札されたディープインパクトの産駒で、大きな期待を背負って関西の新鋭・中内田厩舎に入厩した同馬。ところが、中央ではデビューに間に合わず、兵庫・園田で4歳の1月にひっそりとデビューすると、破竹の3連勝を飾って、中央に再転入を果たした。

 中央ではハナ差負けが1度あったものの、4戦3勝で順当にオープン入り。9か月ぶりとなった前走の六甲アイランドS(3勝クラス)は立ち遅れたものの、落ち着いて中団を追走すると、直線でレイベリングやベルクレスタらを競り落とし、最後は1.3/4馬身の差をつけた。

 年が明けて6歳となるが、中央・地方あわせて7戦6勝と底を見せていない。今年のマイル路線の主役を担ってもおかしくないポテンシャルを持つだけに、手強いマイラーがそろったここも通過点になる可能性は高いだろう。あとはゲートインできることを祈るだけだ。

5億円ホース・ドーブネに重賞制覇のチャンス

ドーブネ 撮影:Ruriko.I

 もしダノンティンパニーが除外されれば、代わりに主役を務めるのはドーブネ(牡4歳、栗東・武幸四郎厩舎)だろう。

 ダノンティンパニーと同じディープインパクト産駒で、2021年の千葉サラブレッドセールにて5億円超で取引された高額馬。『ウマ娘オーナー』こと藤田晋氏の初年度所有馬としてデビュー前から注目される存在だった。

 2歳時には新馬、ききょうS(OP)を連勝してマイル路線で活躍が期待されたが、その後は3連敗。3歳秋に自己条件から出直しを図ると、2勝クラスと3勝クラスを連勝し、4歳となった今年は中山記念(G2)で3着するなど重賞でも上位争いを展開してきた。

 3歳以降は1800~2000mの距離を走っていたが、2走前のポートアイランドS(L)で久々にマイルに戻ると、同レースを快勝。さらに前走キャピタルS(L)を逃げ切って、適距離で改めてそのスピード能力の高さを見せつけている。

 これまで同馬の手綱を取ったのは武豊騎手と吉田隼人騎手の2人だけ。8回騎乗して「2-2-1-3」の武騎手に対し、吉田隼騎手は6回騎乗して「4-0-0-2」と好成績が残っている。今回は近2走で勝利に導いている吉田隼騎手が手綱を取る予定だ。

武豊騎手はエアファンディタとのコンビ


 一方の武騎手が騎乗するのは、エアファンディタ(牡6歳、栗東・池添学厩舎)である。

 近2走はリステッド競走で3着、5着と上位争いにとどまっているが、どちらも60kgと酷なハンデを課されてのもの。今回は58kgで2kg軽くなる。

 4走前の都大路S(L)では、武騎手を背に58kgを背負って、アドマイヤハダルら難敵を破っており、明け7歳にして重賞初制覇のチャンスといえるだろう。


 昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)で2着の実績馬、ダノンタッチダウン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)もまだ見限れない。

 2歳時は強烈な決め手を武器に、デイリー杯2歳S(G2)と朝日杯FSで連続2着に好走。3歳春も活躍が期待されたが、ぶっつけ本番で臨んだ皐月賞(G1)は重馬場で切れ味を削がれてシンガリ負け。それでも続くNHKマイルC(G1)は4着と地力のあるところを見せた。

 秋は富士S(G2)で始動。鞍上を川田将雅騎手から横山典弘騎手にスイッチすると、キャリア6戦目で初めて逃げの手に出たが、直線で失速してブービー11着に敗れた。今回は再び鞍上を変更。北村友一騎手との新コンビで重賞タイトルゲットを狙う。

セルバーグ、トゥードジボンと有力な逃げ馬がスタンバイ


 レース展開のカギを握るのはセルバーグ(牡4歳、栗東・鈴木孝志厩舎)と、トゥードジボン(牡4歳、栗東・四位洋文厩舎)の2頭か。

 前者は3走前の中京記念(G3)を逃げ切ったが、その後は関屋記念(G3)が8着、マイルCS(G1)ではシンガリ負けを喫している。

 後者は2勝クラス、3勝クラスを逃げて連勝中。これまでハナを切った時は3戦3勝と負け知らずで、今回もハナにこだわってくるだろう。ドーブネも含めたハナ争いからも目が離せない。

 この他には、2走前の関屋記念で重賞初勝利を飾ったアヴェラーレ(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)、朝日杯FSでドウデュースの4着に入った実績があるアルナシーム(牡4歳、栗東・橋口慎介厩舎)、きさらぎ賞覇者のフリームファクシ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)なども虎視眈々と上位をうかがう。

 新春の訪れを告げる京都金杯。4年ぶりの京都で好スタートを決めるのはどの馬か。発走は1月6日の15時35分を予定している。

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