笑った永島まなみと、泣いた今村聖奈…スマホ不適切使用「その後」の勝ち星で明暗くっきり。30日の騎乗停止を最も糧にしたのは?【競馬ファンが選ぶ2023年競馬10大ニュース③】

撮影:Ruriko.I

10大ニュース 第3位「スマホ不適切使用」

 様々なGORAKUを心から愛する「GJ」が先日のアンケート「競馬ファンが選ぶ2023年競馬10大ニュース」を1つずつ振り返る年末年始特別連載を開始。

 第3弾となった今回は、10.9%で3位だった「スマホ不適切使用」について、酒は飲まないがタバコがやめられない孤高の鬼デスク「K」と、GJ編集部一の「ウマ娘」好きAが徒然なるままに語り尽くした。


編集部「A」:2023年の競馬界のスキャンダルといえば、やっぱりこの「スマホ不適切使用」になるんですかね。永島まなみ騎手、古川奈穂騎手、今村聖奈騎手、河原田菜々騎手、小林美駒騎手ら女性ジョッキーに加えて角田大河騎手と、若手6人が一斉に騎乗停止30日間が発表されたことは全国の競馬ファンだけでなく、世間を驚かせました。

デスク「K」:特に去年の新人王だった今村聖奈騎手は、悪目立ちしちゃった印象だね。競馬界に現れたニューヒロインとしてファンの多い騎手だったから、その分反動も大きかったみたいで。

編集部「A」:ネット上でも結構叩かれてましたね……。

デスク「K」:あそこまで行くと、人気アイドルのスキャンダルみたいなもんだからな。ただ、庇うわけじゃないけど冷静に振り返ってほしいのは、彼ら彼女らがやったことって、ただ禁止されている場所でスマートフォンを触ってただけなんだよね。もちろん、それが競馬にとって最も大事な公正競馬を脅かす可能性のある行為だから、プロの騎手としての自覚が足りなかった面は当然あるだろうし、30日間の騎乗停止も妥当な処分だと思うけどね。

編集部「A」:全員20歳前後の若者ですし、今の若い子にとってスマホって触らない日がないくらい欠かせないものですもんね。

デスク「K」:そうなんだよね。あれだけの騒ぎになったし30日間も騎乗停止になれば、当人たちも当然心を入れ替えるはず。だから罰は罰で終わったら、1つ寛大な姿勢で応援してあげてほしいってこと。

編集部「A」:実は罰則を受けた6人ですけど、この件を糧に大きく成長してるんですよね。とりあえずJRAから処分発表があった5月8日までと、そこから今年終了時までの勝ち星はコチラになります。

永島まなみ 18勝→50勝
古川奈穂 10勝→25勝
今村聖奈 15勝→25勝
河原田菜々 2勝→13勝
小林美駒 1勝→10勝
角田大河 20勝→36勝

デスク「K」:日数的にちょうど、ざっくり上半期と下半期に分かれてる感じだけど、皆しっかり勝ち星が伸びてるな。

充実したシーズンだった永島まなみ騎手 撮影:Ruriko.I

永島まなみ騎手 18勝→50勝 古川奈穂騎手 10勝→25勝

編集部「A」:特筆すべきは、やはり永島騎手ですよね。惜しくも今村騎手の女性騎手年間最多勝には届きませんでしたが、50勝でリーディング19位は立派の一言。12月にはG1騎乗もありましたし、来年が楽しみな若手の1人ですね。

デスク「K」:古川奈騎手の成長には驚いた。永島騎手ほど目立って勝ち星が伸びたわけじゃないけど、これまで師匠の矢作芳人調教師におんぶに抱っこってイメージだったんだが、今年は他厩舎の馬でも結果を出していたし、依頼そのものも増えてる印象。それだけに鎖骨骨折のリタイアが痛い……。さあ、これからって感じだったから矢作調教師も悔しがってたな。

編集部「A」:騎乗停止期間中は、矢作調教師の計らいで大井に研修に行ってました。

デスク「K」:さすが若手育成に定評のある厩舎だよね。もちろんレースには乗れないけど、地方は中央よりも調教する頭数が多いから、古川奈騎手にとってもいい経験になったはず。まずはケガをしっかり治して帰ってきてほしいね。

河原田菜々騎手の13勝は中身が濃い 撮影:Ruriko.I

編集部「A」:河原田騎手、小林騎手のルーキーコンビはデビュー早々に“やらかした”こともあって正直「大丈夫かな」と心配していたんですが、しっかり勝ち星を伸ばしてきた印象です。

デスク「K」:個人的には河原田騎手の方を買ってる。新人、若手騎手って当たり前のようにローカルに行くんだけど、この子はほとんどメイン開場で頑張ってた。

編集部「A」:一般的には、トップジョッキー参戦の少ないローカルの方が勝ちを拾いやすいって聞きます。

デスク「K」:それも彼女は栗東所属だから、C.ルメール騎手や川田将雅騎手、松山弘平騎手らを相手に勝ちを拾うのは相当大変だったと思うよ。12月にはオープン(中京2歳S)を勝ってたし、それで13勝はなかなか立派な成績じゃないかな。

編集部「A」:私は、逆に美駒騎手推しですね。所属している鈴木伸尋厩舎には、関東の若手No.1の横山武史騎手がいますから。いいお手本が身近にいるのは大きいでしょうし、アドバイスももらってるみたいですしね。美浦は女性騎手が少ないですし、これからさらに伸びて行ってほしい存在です。

プロとしての違いを示した藤田菜七子騎手 撮影:Ruriko.I

デスク「K」:美浦所属の女性騎手といえば、藤田菜七子騎手の名も挙げとかないとな。今回のスマホ不適切使用は女性専用の調整ルームで起きたこともあって、5人の女性騎手が処分対象になったけど、藤田騎手だけはセーフだった。

編集部「A」:あれで“菜七子株”が上がりましたよね。成績の方も今年13勝と、去年の8勝から巻き返しに成功しています。

デスク「K」:かつては43勝してた騎手だからな。女性ジョッキーの第一人者として、まだまだ頑張ってほしいね。

編集部「A」:一方で、今村騎手は昨年のような活躍ができませんでしたね。

デスク「K」:勝ち星自体は最終的に25勝まで行ったけど、処分発表時点で15勝だっただけに本人は満足してないだろうな。ただ、人の噂も七十五日じゃないけど、来年はフラットな立場で挑めるはず。ルーキーイヤーは出来過ぎだったと思うけど、2024年は真価が問われる1年になるだろうね。このまま終わるのは、あまりにももったいない。

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

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