【中山金杯(G3)予想】人気のエピファニーは死角が多く押さえまで。大荒れはないと見て手堅い不人気馬をチョイス

 今回の予想は、中距離路線重賞の開幕を告げる伝統の中距離ハンデ戦、中山金杯(G3)を採り上げる。

 最初に過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。

チャレンジC(朝日チャレンジC時代含む) 8頭
ディセンバーS(L、OP) 5頭
福島記念、金鯱賞 各3頭
マイルCS 2頭
菊花賞、エリザベス女王杯、アルゼンチン共和国杯 各1頭
リステッド 1頭
条件特別(3勝クラス) 5頭

 となっている。

 直近の中距離重賞となるチャレンジC(G3)からの臨戦が最多、次いでリステッドのディセンバーSから。金鯱賞(G2)の3頭は秋口に開催されていた頃のローテーションのため、除外して考えていい。こちらにも菊花賞(G1)やアルゼンチン共和国杯(G2)のような長距離戦からの転戦馬もいるが、レース自体が2000m戦なのでそれほど驚きはない。また、ハンデ戦らしく前走条件戦でも好走する例が見受けられるので、ハンデとの兼ね合いを考えて取捨するといいのではないか。

 続いて人気順の成績を見ていく。

1番人気 4-1-3-2
2番人気 1-1-1-7
3番人気 2-0-0-8
4~6番人気 3-4-2-21
7~9番人気 0-4-1-25
10番人気以下 0-0-3-67

 となっている。

 数字で見れば1番人気はほぼ鉄板。逆に2番人気と3番人気の不振が目立つ。近5年で絞っても2番人気は2頭、3番人気は1頭とやはり良績が残っていない。ただ、1番人気もここ3年は連続して来ているが、馬券圏外に飛んだのも近5年内の話なので、今のところは1番人気も大丈夫そうであるものの、過信はしない方が良さそう。数字だと中穴クラスの好走が目立つが、近5年では7番人気以下の人気薄が健闘しており、その数も6頭と多いので、人気薄でもしっかり検討したい。

ククナ 撮影:Ruriko.I

 これを踏まえて「◎」は7番ククナとする。

 前走はエリザベス女王杯(G1)。中目の枠からスタートして、緩いペースで流れていったものの、直線で先行勢が脱落すると中団の馬の追い比べ。2着から13着まで3馬身以内という大激戦の中で10着となった。

 前走と2走前は今ひとつの結果となっているが、3走前の七夕賞(G3)では軽ハンデを活かして、人気薄ながら2着に好走して穴を開けた。近2走の結果は調子落ちとは見ていない。関東馬の割に中山では過去2走しかしていないが、3着、5着とまずまずの成績。

 切れる脚と好タイムを持っているが、むしろ七夕賞2着の時のように、押し切る競馬が向いていると思われる。時計も上がりタイムも要求されない今の中山なら、この馬にとっては大歓迎の舞台ではないだろうか。

 斤量も近走に重賞2着があるほか、重賞での好走歴があるにもかかわらず前走から2kg減と好材料。いい感じに人気もないからこそ押さえたい1頭だ。

「○」は人気薄の8番ボーンディスウェイを挙げる。

 前走は常総S(3勝クラス)。中目の枠からスタートして3番手につける積極策。4コーナーで先頭に立ち、後ろから追い上げて来た馬とゴール前際どい勝負になったがハナ差競り勝った。

 まだ条件戦を勝ち上がってオープン入りしたばかりの馬ではあるが、重賞での好走実績があるほか、中山コースとはそれなりに相性がいいようで、10戦して3勝2着2回3着1回をマークしている。馬券圏外に飛んだのはG1の2戦とG2の1戦、それと直近で走った条件戦の1戦だけ。

 中山2000mで2勝し、重賞でも3着の実績がある上に、前走はここ数戦着外が続いた中で復調を見せた勝利ともなった。ハンデも前走から3kg減とかなり恵まれ、2~3歳時の勢いを取り戻すきっかけになる可能性も十分にある。人気もなくこちらも狙い目だろう。

「▲」はそこそこ人気しそうだが、11番ゴールデンハインドを推す。

 前走は昨年のオークス(G1)。内目の枠からスタートし、逃げずにポジションを下げて中団前目につけて追走。こちらは直線半ばで力尽きて11着に大敗した。

 別に何が何でもハナにこだわるという馬ではないが、逃げた時の方が良績が残っているだけに、同型馬がいない今回は再び先手を取る可能性は十分にある。そして、このレースは過去10年逃げ切り勝ちこそないが、逃げるか番手につけてそのまま押し切り、馬券圏内に入るケースが割と多い。

 今回は牡馬との混合戦だけに、単純に逃げ切り勝ちとはさせてもらえないだろうが、それでも逃げれば前で粘り切る可能性は十分にあり得る。重賞勝ちがあるものの、牡馬との混合戦ということもあって、ハンデは前走から1kg減とこちらも恵まれた。

「△」は人気サイドだが4番エピファニーと3番リカンカブールの2頭とする。

 エピファニーの前走はチャレンジCで、中団より後ろにつけて控える競馬。直線に入ると差し・追い込み勢の追い比べとなり、僅差の4着に終わった。

 それなりに切れる脚と、2000m戦の優秀な走破タイムを持っているが、むしろこのレースはあまり時計勝負や上がり勝負になることはなく、年末から使われ続けている中山の荒れた馬場ではパワーとスタミナが要求される。そういう意味ではエピファネイア産駒のこの馬に合っている舞台とも言える。

 幸い、2走前にオープン勝ちがあり前走で重賞4着と調子は上がり調子のようなので、人気するだろうが、素直に乗っても良さそうと判断した。ただ、重賞勝ちもない割にハンデは前走から据え置きなこと、鞍上がR.ピューヒュレク騎手と初の短期免許で日本の競馬を把握しきれるか、そしてエピファネイア産駒であることと、意外に懸念点は多い。

 リカンカブールの前走もチャレンジCで、こちらは最後方から追い込んだものの届かず7着に終わっている。

 関西馬でキャリアが浅いこともあって、関東では3走前に中山2000mの条件戦を走ったきりであるが、不良馬場をものともせず勝利している。

 前からでも後ろからでも競馬ができる器用さがあるので、スタートさえきちんと決まれば、相手なりに走るのではないかと踏んで、前走の敗戦より2走前、3走前の連勝を重く見て押さえてみたい。

 ということで、今回は3番、4番、7番、8番、11番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。今回は人気馬を1頭組み込んだが、抜けた馬がいない混戦模様で、ハンデ戦なりの難しさもあっておそらく人気は割れるはず。順当に決まってもそれなりの配当は見込めるのではないだろうか。

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