【東海S(G2)展望】4戦3勝「未完の大器」オメガギネスが登場!控えて好結果ペプチドナイル&ウィリアムバローズら上位勢は実力伯仲
フェブラリーSを見据えて大器オメガギネス出陣!
2024年最初のダート重賞は、21日に行われる第41回東海S(G2)だ。今年は中京から京都へ舞台を移して実施される。
約1か月後のフェブラリーS(G1)を見据えて、フルゲート16頭を超えるエントリーが見込まれているが、主役をつとめるのは4戦3勝の未完の大器オメガギネス(牡4歳、美浦・大和田成厩舎)だろう。
明け4歳世代には中央・地方問わずダートの大物候補が多数そろっているが、この馬もそのうちの1頭。
唯一の敗戦は、2走前のレパードS(G3)で、ライオットガールからクビ差の2着だった。同レースでは好位の内目を追走し、逃げたルクスフロンティアを直線で交わしたが、2番手を進んだ勝ち馬を交わしきれなかった。
それでも賞金加算には成功し、オープン入り。昇級初戦は、2か月後のグリーンチャンネルC(L)で、初の年長馬相手に完勝を収めた。同レースで2着したベルダーイメルは60kgを背負っていたものの、同馬に3馬身半の差をつけている。
デビューから手綱を取る戸崎圭太騎手が引き続き騎乗予定だが、同騎手はJRAのダート重賞11勝を全て左回りコース(東京7勝、新潟・中京で2勝ずつ)で挙げている。右回りのダート重賞は未勝利で、京都でも「0-0-0-4」と、馬券圏内すらない。
オメガギネス自身も関西圏のレースに初出走。長距離輸送への対応もカギとなるだろう。ただ、ここをあっさり勝つようなら、フェブラリーSでも有力馬の1頭として数えられることになりそうだ。
脚質転換で前進したペプチドナイル
ペプチドナイル(牡6歳、栗東・武英智厩舎)は、昨夏の函館で大沼S(L)とマリーンS(OP)を連勝。エルムS(G3)で史上初の“北海道ダート3冠”を狙ったが、ハナを奪えず13着に惨敗。その後もみやこS(G3)とカノープスS(OP)で、いずれもハナを切ったものの4着、7着と敗れた。
そして迎えたのが前走のベテルギウスS(L)。最重量59kgの斤量を背負いながら、2番人気に支持されると、控えて3番手を追走。4角で5番手という位置取りだったが、直線で力強く伸びて1番人気のハピを差し切っている。
前走で逃げ一辺倒ではないことを証明できたのは大きなプラス。前走の勝利でコンビ2戦2勝とした藤岡佑介騎手を背に重賞初勝利を狙う。
ペプチドナイルと同様に先行力を武器とするウィリアムバローズ(牡6歳、栗東・上村洋行厩舎)にも勝機がある。
これまでダートでは4角2番手以内の先行競馬しかしていなかったが、前走のみやこSは中団に控えた。勝負所で押し上げていき、4角を4番手で迎えると、勝ち馬のセラフィックコールに差をつけられたものの、2着争いには加わった。
最後はメイクアリープに届かなかったが、逃げたペプチドナイルを交わして3着。新たな戦法で上位争いに加わったのは、今後を見据える上でも大きかったはずだ。
ヴィクティファルス(セ6歳、栗東・池添学厩舎)は、エフフォーリアやシャフリヤールと同世代で、3歳の春にスプリングS(G2)を制し、牡馬クラシックにも皆勤した。
古馬になってから芝で頭打ち状態となっていたが、初ダートの前走・太秦S(OP)で一発回答。7番人気の低評価を覆して、砂への適性を見せつけた。
騎乗した池添謙一騎手は「落ち着いてレースに臨めれば、ダートで道が見えたのではと感じました」と、条件付きながら、今後の活躍に手応えを感じた様子だ。ダート界に新星誕生となるか。
関東馬ながら京都で開催された2勝クラスと3勝クラスを連勝中のブライアンセンス(牡4歳、美浦・斎藤誠厩舎)。昨夏のユニコーンS(G3)3着を含めて、通算成績は「4-1-3-0」と、オール馬券圏内を継続中だ。
テン乗りの岩田望来騎手を背に3連勝を飾って、フェブラリーSへ殴り込みをかけたい。
この他には、昨年の兵庫チャンピオンシップ(G2)とジャパンダートダービー(G1)でともに2着に好走したキリンジ(牡4歳、栗東・佐々木晶三厩舎)、昨年9戦して全て掲示板を確保したメイショウフンジン(牡6歳、栗東・西園正都厩舎)、芝の重賞を2勝しているバビット(牡7歳、栗東・浜田多実雄厩舎)なども上位をうかがう。
勝ち馬には春のダート王を決めるフェブラリーSの優先出走権が与えられる一戦。東海Sは21日、15時35分に発走予定となっている。