【AJCC】「波乱の使者」なら間違いなくこれ?高齢馬が好走の舞台で「抜群」の存在感…「2回に1回」馬券に絡む中山巧者の反撃に要注意
21日、中山競馬場で行われるアメリカジョッキークラブC(G2)は、中距離戦線で飛躍を狙う馬が多数エントリー。上位人気には紅一点の4歳牝馬モリアーナ、中距離で安定して好走するボッケリーニが推されそうだ。
先週の京成杯(G3)をダノンデサイルで制した横山典弘騎手の騎乗するモリアーナの好走に期待したいところだが、17日の最終追い切りで陣営が意図しない“猛時計”をマークしてしまう誤算もあった。
どうやら、Wコースを単走で追い切った際に他厩舎の馬が近くにいたため、当初の想定を上回るオーバーワークとなった可能性がある様子。レースでどこまで影響するかは分からないものの、そこは経験豊富な関東のベテランの手腕に期待したいところである。
また、AJCCは各馬の年齢が加算されたばかりの1月に行われることもあり、高齢馬の好走が目立つ。
過去10年で馬券圏内に突入した馬の年齢を確認してみたところ、明け4歳世代の勝率は8%、5歳が10.7%で6歳が10.5%で続き、7歳が4.8%で8歳は未勝利となっている。
データ上で未勝利の8歳世代だが、今年の出走予定馬は人気のボッケリーニとマイネルウィルトスなど、骨っぽいメンバーが揃った。他世代で重賞勝ち実績を持つ相手が、3歳牝馬限定の紫苑S(G2)のモリアーナや昨年の中山金杯(G3)のラーグルフくらいという意味では、経験と実績が大きなアドバンテージとなるはずだ。
中山巧者と勢いの乗る注目の若手のコンビに期待
そんな8歳世代の中でも特に注意したいのは、人気の盲点となりそうなカラテ(牡8、栗東・辻野泰之厩舎)だ。予想以上に下馬評が低くなった理由のひとつには、昨年の宝塚記念(G1)を16着に大敗して以来となる7か月ぶりの休み明けだからかもしれない。
とはいえ、栗東の坂路で行われた追い切りは、単走で4F54秒8-12秒1の好タイムをマーク。これにはカラテを管理する辻野調教師も「過去の休み明けの中で反応は一番よかった」と上々の評価を下した。
そして、頼もしいのが主戦を務める菅原明良騎手の存在である。同騎手は左回りの競馬場で穴を出すサウスポーとしても有名だが、重賞では右回りの京都や阪神でもパートナーを好走へと導いている。先週の日経新春杯(G2)でも1番人気に推されたブローザホーンを巧みな手綱捌きで初重賞勝利へ導いた。
さらにはコンビを組むカラテが、鞍上のイメージとは逆に右回りの中山巧者である点も見逃せない。勿論、新潟記念(G3)や新潟大賞典(G3)勝ちがあるように、左回りのコースでも問題ない馬だが、中山芝コースは【3.1.0.4】と2回に1回は馬券に絡む相性のいい舞台でもある。
ともに7番人気の伏兵ながら優勝したタンタアレグリア(2017年)やシャケトラ(19年)も前走でG1を使われていた上にカラテより長い休み明けだった。今年のカラテも鞍上の勢いを味方に激走しても不思議ではないだろう。