パワーアップで「5馬身差」の圧勝決めても知名度は? AJCC4着モリアーナとも接戦…もはや知らないじゃすまされない「珍名馬」が実力証明
これほどの強さを見せつけられては、もはや知らないではすまされない?
先週土曜に小倉競馬場で行われた10Rの戸畑特別(1勝クラス・芝2000m)を楽勝したのは、シランケド(牝4、栗東・牧浦充徳厩舎)だ。
馬名のシランケドは関西の方言。自身の主張した発言の最後に「知らんけど」を足すことによって、もし「話の内容が異なっていたとしても責任は持てない」というニュアンスで使われる言葉である。競馬で例えるなら「このレースは○○が勝ちそうやな。知らんけど」といった感じだろう。
その強さはもう「知らんけど」ではすまされない?
ユニークな馬名ということもあり、珍名馬としても競馬ファンに知られているシランケドだが、戸畑特別の勝ちっぷりはなかなかのものだった。
近4戦で国分恭介騎手とコンビを組んだシランケドは、前走から約4ヶ月半近くの休養明けでプラス14キロのグラマラスな馬体で復帰した。17頭立てで行われた稍重に渋った芝2000mのレースを後方からひとまくり。最後の直線で2番手までポジションを押し上げると、後続馬との差をアッという間に広げ、2着に5馬身差をつけてゴールした。
大きくパワーアップした姿を見せたシランケドだが、やはりレース実況で名前を呼ばれるたびにフフフとなってしまう。このレースでも「外を回ってシランケド、シランケド先頭に立った」「抜けたシランケド!シランケド、ゴールイン!シランケド」と真剣な実況にもかかわらず、少しふざけているようにすら聞こえてくる。
「いやあ、強かったですよ!シランケド。渋った馬場も問題なく道中の手応えも楽でしたね。先頭にたってからは流すだけという感じで余裕がありました。メンバーも1勝クラスの馬が相手でしたし、1番人気だったように順当勝ちではありますね。昨秋の紫苑S(G2)でモリアーナと接戦をして3着に入った実力馬です。この勢いなら重賞戦線に顔を出すようになるのも、そう遠くないかもです」(競馬記者)
紫苑Sを制したモリアーナは、秋華賞(G1)に出走して5着。日曜中山のアメリカジョッキークラブC(G2)で4番人気4着と、まずまずの走りを見せたばかり。同世代のシランケドは、秋華賞への参戦は夏場の疲れが抜けなかったため回避したものの、それからじっくりと立て直され成長した姿を披露した。
名前こそ珍名馬のシランケドだが、その実力は重賞級かもしれない。このまま順調に勝ち進むようなら、もはや知らないではすまされない存在感を発揮するのではないか。そう感じられたほど強さを見せつけた復帰初戦だった。