「勝ち馬は違うレベル」C.ルメールも思わず脱帽…川田将雅×中内田充正の黄金コンビ「6戦5勝」の遅れてきた大物が出世レースを好タイムV!

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 27日、東京競馬場で行われた芝2000mの白富士S(L)は、馬群を割って抜け出した1番人気ロードデルレイ(牡4歳、栗東・中内田充正厩舎)が単勝1.4倍の圧倒的支持に応えて優勝した。

「前走より内容のある競馬ができました」

 騎乗した川田将雅騎手がレース後にそう振り返った一戦。人馬が初コンビを組んだ前走ウェルカムS(3勝クラス)は、6番手の外目につけて抜け出す競馬だったが、この日は打って変わって後方のインコースでじっくり脚を溜めての競馬となる。

 レースはパクスオトマニカが1000m通過59秒4の平均ペースで逃げる展開。目下のライバルであったC.ルメール騎手の2番人気バトルボーンが絶好の3番手を進み、ロードデルレイは後方待機のまま最後の直線に入った。

 バトルボーンが満を持して抜け出そうとするところを、ロードデルレイは馬群を縫うように割って伸びて、残り1ハロンで交わし去って先頭へ。最後はバトルボーンに半馬身差をつけてフィニッシュした。

「バトルボーンは一昨年に4連勝を遂げた実力馬であり、また好位から上がり33秒9の脚で伸びていたのですが、それを後方から33秒2で差し切ったロードデルレイの末脚は凄すぎました。レース後にはルメール騎手も『勝ち馬は違うレベルかもしれない』と思わず脱帽のコメントを残していましたよ。

なお勝ったロードデルレイは父ロードカナロア、母デルフィーノ、祖母レディアーティスト、曾祖母レディバラードがすべてロードホースクラブ所属という名門ゆかりの血統。ケイアイファーム出身で川田騎手と中内田厩舎のコンビであることから、個人的にはダノンプレミアムともイメージが重なりましたね」(競馬誌ライター)

C.ルメール騎手

遅れてきた大物が出世レースを好タイムV

 昇級初戦も難なく白星を決め、これで通算成績を6戦5勝としたロードデルレイ。唯一の黒星である芝2400mの神戸新聞杯(G2)でも勝ち馬とはわずか0秒1差。しかも騎乗した坂井瑠星騎手がレース後「ベストはもう少し短い距離かな」と、やや適性外であったことを話していた。

 なお白富士Sは過去3年間で勝利したポタジェ、ジャックドールが、後に大阪杯(G1)を制してG1ホースとなったことから、近年は出世レースとしても注目を集めている。

 今回ロードデルレイがマークした勝ちタイムの1分57秒2は、一昨年の覇者ジャックドールのそれを0秒2上回るもの。東京・芝2000mの歴代勝ち時計としてもウオッカ、カンパニーが勝った天皇賞・秋(G1)などと並び史上5位タイだったのだから、この先が非常に楽しみになったと言えそうだ。

「より良く次に繋がっていくと思います」

 中身のある競馬でロードデルレイを連勝に導いた川田騎手の視線は早くも次に向けられている。遅れてきた大物の次戦を楽しみにしたい。

GJ 編集部

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