ネクラ女医の競馬日記No.11〜「ウオッカの妻」の話〜


「女性人気のウオッカ、男性人気のダイワスカーレット」と、なんとなく世間では言われていました。確かに、目に鮮やかなイエローとブルーのウオッカグッズを身につけた女性ファンを、当時はけっこう見かけた気がします。WINSバイト時代の先輩も、今で言うウオッカの「夢女(有名人やキャラクターの熱烈な女性ファン、対象との恋愛妄想も楽しむ。)」だったのでしょう。

 

一方で、ウオッカのドバイ遠征に帯同したレッドディザイアは、いわばウオッカの「夢牝馬」だったのかもしれません。ドバイでウオッカにすっかり懐いてしまったレッドディザイアは、ウオッカがアイルランドへ繁殖入りすると、とても寂しそうにしていたそうです。そんな彼女を見かねた厩務員さんが、馬房にウオッカのポスターを貼ってあげたことは、有名な話ですよね。


ウオッカの研ぎ澄まされた馬体は、確かに下手な牡馬よりもずっと「イケメン」でした。卓越した名馬の魅力は、種や性別を容易に越えるのかもしれません。

さかた

英国在住の競馬好きアラサー女医。学生時代はWINS場内スタッフのアルバイトをしながら、ウオダス世代の火花散るレースに脳を焼かれた。好きな競馬場メシは「梅屋」のモツ煮込み。鉄火場であおるビールは人生の道標。

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