「フェブラリーS不在」川田将雅が臨むビッグレースとは…「大物回避」続くダートG1に新たな難題?
18日に迫ったフェブラリーS(G1)は、ダート有力馬の「サウジC(G1)流出」でメンバーレベルを心配されたが、登録メンバーを見ればかなり揃った印象。地方所属や芝路線からのチャレンジも多く、面白い一戦に期待できそうだ。
そんな出走予定馬に対して騎手の想定を見ると、今回は川田将雅騎手の名前がない。コンビで先月28日の根岸S(G3)を制したエンペラーワケアは回避を表明したが、今年もリーディング争いを繰り広げる名手なだけに、他陣営から騎乗依頼があっても不思議ではないだろう。
しかし、昨年のフェブラリーSで2着に導いたレッドルゼルは、北村友一騎手が手綱を取る予定。原優介騎手の怪我で鞍上が空いたウィルソンテソーロも、川田騎手の手綱で地方重賞3勝を挙げているが、松山弘平騎手への乗り替わりが発表された。
そんな川田騎手が向かう先はカタール、17日にアルライヤン競馬場で行われるロンジン・アミールトロフィー(G1・芝2400m)。このレースに出走する重賞2勝のサトノグランツに騎乗を予定している。
日本では聞き慣れないレースだが、昨年に賞金増額が行われ、1着賞金は142万5000ドル(約2億円)に上るビッグレースである。昨年は香港G1馬のロシアンエンペラーが制したことで話題となった。
その注目度は徐々に高まりつつあり、日本馬の出走が初となる今年は、登録段階で18頭の日本馬が名を連ねた。その中から正式に出走を予定しているのはサトノグランツに加えて、ノースブリッジ&岩田康誠騎手、ゼッフィーロ&J.モレイラ騎手。いずれも重賞勝利を経験したコンビだ。
日本馬以外では、昨年覇者のロシアンエンペラーや、2022年のジャパンC(G1)にも出走したG1馬シムカミルも出走予定。なかなかレベルの高い一戦になるだろう。
今後の注目度次第ではフェブラリーSの騎手が手薄に?
そんなアミールトロフィーに向かう日本人騎手は、今年は川田騎手と岩田康騎手の2名に留まる。しかし、今後も注目度が高まれば、時期が重なるフェブラリーSの「ジョッキー流出」も増加するかもしれない。
同様の問題は、今年の大阪杯(G1)でも囁かれている。高額賞金で知られるドバイワールドカップデーと時期が重なるため、そちらへ向かう実績馬が多く、彼らに騎乗する日本のトップジョッキーたちも当然、国内では騎乗しないこととなる。
昨年は高松宮記念(G1)とドバイの時期が重なり、川田騎手やC.ルメール騎手などが不在だった。その分、同レースは若手の団野大成騎手がG1初制覇を果たしたように、他の騎手にチャンスが回る機会でもある。
今後はフェブラリーSでもその問題が生じる可能性はあるが、それはまた来年以降の話。まずは今年、アミールトロフィーがどれほどの盛り上がりを見せるか注目してみたい。