好きな競馬小説「優駿」の話 ~ネクラ女医の競馬日記No.14~

 好きな競馬小説はありますか?

 古内一絵の「風の向こうへ駆け抜けろ」、馳星周の「ロスト・イン・ザ・ターフ」など名作はいくつもありますが、個人的には宮本輝の「優駿」が、最も記憶に残っています。

「優駿」は、第1回JRA賞馬事文化賞を受賞した作品です。作者は執筆に先立ち社台ファームに取材をしたそうで、作中には創業者・吉田善哉をモデルにした大牧場主も登場します。また、取材の過程で実際に馬主となったことで、みずから馬産業に深く関わっていきました。そのためか、他と一線を画したリアルな描写が楽しめます。

 ただ、現実のディティールに忠実でいながらも、エンタメとしてしっかり成立しているのが「優駿」の凄いところです。競馬を取り巻く恋愛、親子愛、策謀、そして生と死。極めてリアルな競馬描写と様々なフィクション的ドラマが無理なく噛み合った傑作なのです。ぜひ、読んでみてください。(ちなみに、映画化もされています。)

さかた

英国在住の競馬好きアラサー女医。学生時代はWINS場内スタッフのアルバイトをしながら、ウオダス世代の火花散るレースに脳を焼かれた。好きな競馬場メシは「梅屋」のモツ煮込み。鉄火場であおるビールは人生の道標。

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