【弥生賞】J.モレイラ、W.ビュイックも「ダービー意識」の超大物が直接対決!「その後は未定」の川田将雅が強敵も…上位人気必至の2頭に落とし穴?

 いよいよ3月に入り、今週末は土曜阪神で桜花賞(G1)のトライアル、チューリップ賞(G2)、日曜中山では皐月賞(G1)のトライアル、弥生賞ディープインパクト記念(G2)の開催を控えている。

 つい先日に東西金杯が行われたと思いきや、2月のフェブラリーS(G1)も終わり、いよいよ3月で春の到来を予感するシーズン。月末にはドバイワールドカップデーや高松宮記念(G1)もあるため、クラシックの開幕も徐々に実感を増してくる。

 東西で牡牝のトライアルが行われるものの、より注目の一戦となるのは、ダービー馬候補が複数出走する弥生賞か。

世代トップクラスが集結する注目の皐月賞トライアル

 ハイレベルのG2とあってダノンエアズロック、トロヴァトーレ、ファビュラススターといった無敗馬3頭が参戦。管理する矢作芳人調教師の「その後は未定」というコメントは気になるものの、ホープフルS(G1)でレガレイラの2着に好走した実績上位のシンエンペラーが迎え撃つ格好だ。

 シンエンペラーの実力は認めつつ、底を見せていない魅力という意味では、R.キング騎手×堀宣行厩舎のダノンエアズロック、C.ルメール騎手×鹿戸雄一厩舎のトロヴァトーレの直接対決は、非常に楽しみである。

 前者は前走で騎乗したJ.モレイラ騎手が「ダービー馬だね」、後者も前走で騎乗したW.ビュイック騎手が「ダービー候補」と高く評価した素質馬。今回はどちらかの連勝が途切れるだけに、無敗の続いた勝者は皐月賞候補の筆頭として脚光を浴びそうだ。

 しかし、そんな注目の2頭にも落とし穴がない訳でもない。

 アイビーS(L)で大本命レガレイラを破る大金星を挙げたダノンエアズロックだが、このレースはハナを切ったホウオウプロサンゲが、1000m通過63秒1の超スローに持ち込む特異な展開。すぐ後ろの2番手を追走した勝ち馬に対し、レガレイラは出遅れ気味のスタートからの3番手で追走していた。

 ダノンエアズロックとレガレイラは、ともに上がり3ハロン最速タイとなる32秒7をマークしたが、両者の間の0秒2差は位置取りのままといっていいほど。2着に粘り込んだホウオウプロサンゲも、続く京都2歳S(G3)とすみれS(L)で完敗、3着に敗れたとはいえ、レガレイラも次走のホープフルS優勝で力負けではなかったことを証明しているだけに、展開のアヤともいえる。

 また、これまでの芝1800mから1F延びる2000mに替わることも、ダノンエアズロックの血統的には不安材料。母モシーンの名前から分かる通り、本馬の半姉にはマイル重賞で活躍したプリモシーンもいる。距離の融通が利くディープインパクト産駒の姉とは違い、父は晩成タイプのマイラーのモーリス。イメージ的にはクラシックよりもNHKマイルC(G1)で期待したいタイプだろう。

 弥生賞の結果次第では、皐月賞に直行するレガレイラとの選択でルメール騎手を悩ませるかもしれない逸材のトロヴァトーレだが、申し分のない臨戦過程に映ることが、かえって不安でもある。

 同じ中山の芝2000mが舞台の弥生賞だが、葉牡丹賞(1勝クラス)を経由して本レースを勝利した馬はゼロ。小回りコースの短い直線で鋭い末脚を披露して連勝している点は評価したいものの、このレースの優勝馬で近年G1レースを勝ったのは、2016年のレイデオロくらい。それより前だと08年のトーセンジョーダン(天皇賞・秋)、1995年のタイキフォーチュン(NHKマイルC)、92年のウイニングチケット(日本ダービー)まで遡る必要がある。

 いずれにしても世代トップクラスの実力馬たちが覇を争う今年の弥生賞だけに、勝った馬が最強馬候補といってもいい。サンライズジパングの回避は残念だったが、楽しみなレースであることに変わりはない。

GJ 編集部

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