【阪神大賞典(G2)予想】ディープボンド&テーオーロイヤルの長距離実績を重視! 武豊騎手のシルヴァーソニックにも注目
今回は天皇賞・春(G1)の最重要前哨戦であり、数々の名勝負を生み出してきた伝統の長距離重賞・阪神大賞典(G2)を予想していく。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データから見ていこう。
有馬記念 13頭
ダイヤモンドS 3頭
ジャパンC、京都記念、日経新春杯、アメリカジョッキークラブC 各2頭
ステイヤーズS、中山金杯 各1頭
オープン特別 1頭
条件特別(3勝クラス) 3頭
となっている。有馬記念(G1)からの臨戦が最多。条件戦からの好走例もあるが、重賞組、しかもG2以上を走ってきた馬が断然強い。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 6-1-1-2
2番人気 2-2-1-5
3番人気 2-0-3-5
4~6番人気 0-6-3-21
7~9番人気 0-1-1-28
10番人気以下 0-0-1-21
となっている。1番人気がほぼ鉄板。ただ、飛んだ2回は近5年の21年アリストテレス(7着)と20年キセキ(7着)なので、1番人気が手堅いという傾向は弱くなっているのかも知れない。上位人気だけで決まったことはないが、中穴クラスを狙っておけば問題はなさそうだ。
これを踏まえて「◎」は長距離重賞の常連12番ディープボンドとする。
昨秋は京都大賞典(G2)3着と好スタートを切ったものの、続くジャパンC(G1)は上がり勝負に、有馬記念は前残り展開でこの馬の持ち味が活きないレースが続いてしまった。
しかし、春先の長距離戦となればこの馬の出番だろう。21年、22年とこのレースを連覇し、昨年こそ不得意な上がり勝負になって不覚を取ったが、それでも5着と掲示板は確保。続く天皇賞・春では3年連続2着を達成しているだけに、今年こそはという思いだろう。ならば、まずここを落とすわけにはいくまい。
陣営は「馬がリフレッシュして、良い雰囲気で臨める」と好感触の様子。得意の距離、実績のあるレースで「まだ衰えもないのでG1の前にいい走りを期待している」と上位争いを期待している。
良馬場濃厚なだけに、昨年のように長距離戦なのに上がり勝負になるようなことがなければ無様な競馬はしないだろう。期待値込みの本命である。
「○」は人気サイドだが6番テーオーロイヤルを挙げる。
前走のダイヤモンドS(G3)を勝利し、2走前のステイヤーズS(G2)でも2着に入るなど、JRA屈指のマラソン重賞で好成績を残しての臨戦。
特筆すべきはどちらのレースも3000m超のレースながら、上がりは33秒台をマークしている点。ステイヤーズSは前残りの展開で追い込んでの2着だったが、その脚が33.9秒、前走は直線での追い比べになっての33.7秒と直線勝負に滅法強くなった印象である。
前走3400m戦を勝利しているので、人気になるのは当然だが、この馬が勝ち負けするときは◎ディープボンドにはたぶん用がない。この馬を対抗としたが、◎→○にはならないだろう、という読みである。
「▲」も武豊騎手で人気しそうな13番シルヴァーソニックを推す。
昨年の天皇賞・春で3着したが、そのあと10カ月半の長期休養を挟んで今回が復帰初戦となる。鉄砲駆けの実績が今ひとつなこの馬にとっては、少々の不安材料と言えなくもない。
しかし、一昨年の秋にステイヤーズSを制し、昨春はサウジアラビア遠征を敢行して、長距離重賞を制覇。そこからの天皇賞・春3着だっただけに好調の波に乗った状況で休養に入っている。
加えて鞍上はレジェンド・武豊騎手にチェンジ。武豊騎手といえばこのレースとはすこぶる相性が良く、メジロマックイーン、ナリタブライアン、ディープインパクトなどの名だたる名馬とのコンビも含めて8勝を挙げている。
「長距離は騎手で買え」という金言があるが、その金言に素直に乗ってみたい。乗れるだけの実績のある馬でもあるからだ。休み明けの分だけ割り引きで印を下げた。
「△」は人気の一角2番ブローザホーンと、人気の盲点になりそうな9番ワープスピードの2頭とする。
ブローザホーンは昨夏の北海道シリーズで調子を上げてきたものの、秋初戦の京都大賞典で心房細動を発症して無念の競走中止。しかし、復帰初戦の前走・日経新春杯(G2)では人気に応えてきっちり勝利を挙げた。
陣営は転厩初戦となるものの「前走から体は維持できているので、良い状態で送り出せそう」と状態の良さを強調。心肺機能に優れているので3000mでも対応できるだろうとして「あとは手の内に入れている鞍上に任せる」と強気のコメントだ。
鞍上の菅原明良騎手は京都大賞典からのコンビになるが、前走で重賞初制覇を飾るなど陣営の言うように手の内に入れている感はある。さらにこの馬は鉄砲駆けするので、休み明けでも走る素地はある。これまで管理していた中野栄治調教師の引退に伴う転厩で、環境が変わったこと、初の3000mがどうか、という懸念はあるが、勢いはあるので割り引いての押さえとなる。
ワープスピードは○テーオーロイヤルが勝ったダイヤモンドSで僅差の3着に入った。昨秋に3000mの古都S(3勝クラス)を快勝してオープン入り。初重賞となったステイヤーズSでも馬券圏内は逃したが4着と掲示板は確保し、長距離適性を示している。
陣営は「2走前は消極的なレースになり、前走はスタートで寄られたことでポジションを取れなかった」と敗因を振り返っている。じわじわ脚を使うタイプなので「少し前でレース運びをするのが理想」「鞍上はその辺も上手く運んでくれるだろうし、東京より阪神の方が合っている」とコメント。
別定戦で斤量差がつかないことが、ここ何戦かで負けた相手と再び走る今回、逆転できるかというところが懸念としてあるが、馬券を買う立場とすれば「3着内に入ればOK」なわけで、その可能性は十分にあると踏んでの押さえである。
ということで、今回は2番、6番、9番、12番、13番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。手堅いチョイスなので、配当は期待しにくいがトリガミにはならないだろうし、仮にトリガミになってもハズレよりはよほどマシということで。