【日経賞&毎日杯】ボッケリーニ「中山コース安定」クロミナンス「2400mくらいまで」ベラジオボンド「力負けではない」東西重賞現場耳寄り情報
23日には中山競馬場で日経賞(G2)、阪神競馬場では毎日杯(G3)とふたつの重賞の開催が予定されている。今年も両レースには今後G1を狙う有力馬たちが集結した。各陣営から編集部に届けられたマル秘情報の一部を紹介しよう。
■日経賞(G2)
天皇賞・春(G1)のステップレースに位置付けられている日経賞。今年も中長距離を得意とする競走馬が集ったが、中でも有力視されているのがボッケリーニ(牡8歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
前3走は、京都大賞典(G2)、チャレンジC(G3)、アメリカジョッキークラブC(G2)と、いずれもタイム差なしの2着。好走は続けているものの、勝利にまでは一歩届いていない。
「惜しい内容が続いています。中山コースでは安定した成績を残せていますし、今年8歳ながら年齢的な衰えもありません。中間も順調に調整ができていますし、変わらず体調は良さそうですね。
馬場状態の良、不良も問わないタイプですし、うまく立ち回れれば勝ち負けになっていいと思います」(栗東関係者・A)
日経賞は2年連続でタイトルホルダーに敗れて2着。だが今年はそのライバルが不在のため、絶好のチャンスであることは間違いない。ここを勝利し、春の大一番につなげることができるだろうか?
クロミナンス(牡7歳、美浦・尾関知人厩舎)は重賞初勝利を狙う。
2走前に勝利を挙げてようやくオープン入りを果たした遅咲きタイプ。昇級初戦となったAJCCでは前目の競馬で善戦。最後の直線でもしぶとく脚を使って3着と健闘してみせた。
「前走は内で動けなかったのが痛かった。スムーズに外に出し、内回りコースをうまく捌くことができれば、もっと上位も狙えるかもしれません。
レース後は、ノーザンファーム天栄に放牧に出されて、ここを目標に調整してきたようです。稽古の動きを見る限り、順調で仕上がりに不安はなさそうですね。
ただ問題なのは距離。前走で騎乗したC.ルメール騎手は『2400mくらいまでかな』と話していたようです。今回は100m延長しているので、その辺りがネックになるかもしれないですね」(美浦関係者・A)
ルメール騎手の見立ては当たるのか。
3年連続の挑戦で過去2回は3着と6着に入っているヒートオンビート(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)。
昨年は日経賞後に向かった目黒記念(G2)を制し、うれしい重賞初勝利をゲット。秋初戦の京都大賞典こそ不利もあり9着に終わったが、2戦目のアルゼンチン共和国杯(G2)はトップハンデとなる59kgを課せられるも、3着と実力を証明した。
「前走の有馬記念(G1)は16着と殿負け。内に入れず、ずっと外を回る形になってしまい、脚を使わされてしまいましたね。
前走から立て直したいのは陣営としては当然。中間の追い切りの動きは上々で、最後までしっかり脚を伸ばしていましたよ。大敗も尾を引いておらず、フレッシュなとても良い状態でレースへ向かうことができそうです」(栗東関係者・B)
2度目のG2勝利はあるか?
■毎日杯(G3)
毎日杯は上位に入っても、3歳クラシックの優先出走権が得られるトライアルレースではない。だが、ここの勝馬がクラシックで好走することも多く、春の大一番に向けて重要な前哨戦として知られる。
その1戦で結果を出して、クラシック戦線に名乗りをあげたいのが、ベラジオボンド(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)だ。
阪神・芝1800mで行われた新馬戦では好位追走から、上がり33.9秒の末脚を使い、2着に3馬身差をつけて快勝。続いては出世レースとして知られる共同通信杯(G3)へ向かった。
強豪が揃った中でクラシック出走のため、賞金加算を目論んだが、見せ場なく6着。騎乗した岩田望来騎手は「上にあがるようにゲートを出てしまい、(ポジションを)取ることができませんでした」と明かし、道中の流れも悪く、「瞬発力勝負になってしまい、あの位置からでは厳しかったです」と下を向いた。
「前走は決して力負けではないです。出遅れに加え、前の馬が折り合いを欠いたこともあり、動きにくいポジションで運ばれてしまいましたからね。展開が向きませんでした。
この中間の稽古では冷静に走れており、操縦性も良くなってるようです。新馬勝ちしたときにあれほどのパフォーマンスを発揮した舞台ですしスムーズに走れれば、上位もありえます」(栗東関係者・B)
結果を残している舞台で巻き返しなるか。
勝利の女神はどの陣営に微笑むのか。阪神の毎日杯は15時35分、中山の日経賞は15時45分の発走を予定している。